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【市況】国内株式市場見通し:フィンテックのほか、アップル、自動運転、LINEなどテーマ物色に


先週の日経平均は下落。週初こそ、前週末のECBの追加緩和を評価した欧米市場の上昇のほか、原油相場上昇なども材料視されるなか、日経平均は17300円に迫る場面もみられた。その後は日銀の金融政策決定会合、連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、こう着感の強い相場展開となった。

金融政策決定会合では「金融政策の現状維持」と伝わると下げに転じ、「MRFのマイナス金利適用の除外」が伝えられると上昇に転じるなど、決定会合の結果を材料に短期筋の売買に振らされる展開。FOMCでは、政策金利は据え置かれ、声明文やイエレンFRB議長の会見では、今後の利上げ見通しを従来よりも緩やかにする姿勢が示された。この結果を受けて為替市場ではドル安・円高基調が強まり、株式市場への上値の重しとなった。週末には約1年4カ月ぶりの円高水準が嫌気され、日経平均は一時16600円前半まで下げる場面をみせた。

その中で物色は個人主体の中小型株にシフト。IPOラッシュであったことも中小型株に向かわせる一因となったが、日銀は「フィンテック」の発展支援のため、資金決済のシステムを担当する決済機構局内に「フィンテックセンター」を近く設立するとの報道もあり、フィンテック関連には特に短期資金が集中していた。

今週は薄商いの中、こう着感の強い相場展開になりそうだ。日本では21日が20日の祝日の振替で休場となるほか、週末25日は欧米市場がグッドフライデーの祝日で休場となるため、商いは膨らみづらいだろう。また、これまで相場の変動要因だった原油相場が上昇を見せてきているものの、ここにきて為替相場に振らされる相場展開をみせている。為替連動でのアルゴリズムトレード等への思惑なども警戒されやすく、円高等に大きく振れる局面においては、仕掛け的な動き等にも警戒する必要がありそうだ。

その他、期末要因から機関投資家の積極的な売買は次第に手控えられると考えられるなか、不安定な相場展開が意識されやすい。さらに期末接近で貸株返却に伴う買戻しといった上昇なども意識されやすい時期ではあるが、米利上げペース鈍化を背景とした円高が、引き続き株式市場の重しになりそうだ。

イベントとしては21日に米アップルのイベントが開催される。「iPhone」の売り上げ減速懸念で、米アップルの株価は昨年11月から1月にかけて急落したが、アナリストの間では最悪期は過ぎたようだとの認識がある。また、メディア向けイベントで発表するとみられる画面サイズ4インチの新型iPhoneが需要の「追い風になる」可能性なども期待されており、これが電子部品株への見直しに向かわせよう。

その他、23日からニューヨーク国際自動車ショー(一般公開は25日-4月3日)が開催されるため、排ガス規制等を受けた環境自動車のほか、自動運転等への関心が集まろう。24日にはLINEが事業戦略を発表する予定であり、上場時期などへの思惑等も再び高まる可能性がありそう。その他、決算などの個別物色のほか、直近IPO銘柄、さらに先週活況だった「フィンテック」等のテーマ株物色の流れがしばらく続きそうである。

その他、経済指標では22日に全国スーパー売上高(2月)、コンビニエンス売上高(2月)、公示地価、25日に消費者物価指数(2月)など。海外では、21日に米中古住宅販売件数(2月)、22日に独Ifo景況感指数(3月)、独ZEN景況感指数(3月)、23日に米新築住宅販売件数(2月)、ユーロ圏消費者信頼感(3月)、24日に米週間失業保険申請件数、米耐久財受注(2月)、ユーロ圏総合PMI(3月)、ユーロ圏非製造業PMI(3月)、25日に米10-12月GDP(確定値)等が予定されている。

《FA》

 提供:フィスコ

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