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【市況】後場に注目すべき3つのポイント~積極的に上値は追いづらい状況か


17日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・先高感は高まるものの、積極的に上値は追いづらい状況か
・ドル・円は112円64銭付近、日本株の堅調地合い受けドル買戻し
・Fリテ<9983>、ファナック<6954>、ダイキン<6367>で日経平均を約50円押し上げ


■先高感は高まるものの、積極的に上値は追いづらい状況か

日経平均は大幅に反発。235.12円高の17209.57円(出来高概算9億1000万株)で前場の取引を終えている。16日の米国市場ではNYダウが4日続伸。注目のFOMCでは政策金利は据え置かれ、イエレンFRB議長の会見では今後の利上げ見通しを従来よりも緩やかにする姿勢が示されたことが好感された。また原油相場が大きく反発していることも材料視されている。この流れを受け、17000円を回復して始まると、一時17253.03円まで上げ幅を拡大させる場面をみせている。

東証1部の騰落銘柄は、値上がり数が1500を超えており、全体の8割を占めている。規模別指数では大型、中型、小型株指数いずれも2ケタの上昇。セクターでは鉱業、機械、保険、銀行、その他金融、非鉄金属、建設、鉄鋼、海運、輸送用機器が堅調。半面、空運、食料品が小安い。

日経平均は理想的な反発をみせている。テクニカル面では5日線を上回ってのスタートとなり、ボリンジャーバンドでは+1σと+2σとのレンジをキープ。さらに一目均衡表では雲下限が16828円まで切り下がりをみせる一方で転換線が支持線として機能していたが、転換線のサポートしつつ、雲下限を突破してきた。遅行スパンは上方転換シグナルを発生させており、雲下限突破によってセンチメントを明るくさせる。また、価格帯別出来高では16900-17100円での積み上がりが大きいが、これを再びクリアしてきたことも先高期待につながろう。

もっとも、出来高は9億株台、売買代金は9445億円と低水準であり、金融イベントが通過する一方で、期末接近により機関投資家等は動きづらくなる。また、個人の売買についても、明日がIPOラッシュとなるため、大引けにかけては換金売りなどから、利益確定の流れが強まる可能性も意識されてくる。先高感は高まるものの、積極的に上値は追いづらい状況といったところか。

(株式部長 村瀬智一)


■ドル・円は112円64銭付近、日本株の堅調地合い受けドル買戻し

17日午前の東京外為市場で、ドル・円は買戻しが続いた。日経平均株価の堅調地合いを受けた値動き。

ドル・円は、前日の海外市場で米連邦準備制度理事会(FRB)の年内の利上げペースが鈍化するとの見方が広がり一時112円33銭まで下げが、東京市場では値を戻す展開となった。

日経平均株価は堅調地合いが続き17200円付近で推移したため、ドル・円は朝方の112円半ばから足元112円70銭台まで戻した。

ただ、上海総合指数が反落したほか日経平均先物は伸び悩んでおり、ドル・円は目先上昇に向かう展開は想定しにくい。

ここまではドル・円は112円54銭から112円96銭、ユーロ・ドルは1.1206ドルから1.1229ドル、ユーロ・円は126円33銭から126円62銭で推移。

12時36分時点のドル・円は112円64銭、ユーロ・円は126円41銭、ポンド・円は160円66銭、豪ドル・円は85円68銭で推移している。

(為替・債券アナリスト 吉池威)


■後場のチェック銘柄

・Fリテ<9983>、ファナック<6954>、ダイキン<6367>で日経平均を約50円押し上げ
・原油市況の上昇で国際帝石<1605>がしっかり


☆後場の注目スケジュール☆

<国内>
・15:30 黒田日銀総裁が決済システムフォーラムであいさつ

<海外>
・特になし

《SY》

 提供:フィスコ

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