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【市況】先高感は高まるものの、積極的に上値は追いづらい状況か/ランチタイムコメント


 日経平均は大幅に反発。235.12円高の17209.57円(出来高概算9億1000万株)で前場の取引を終えている。16日の米国市場ではNYダウが4日続伸。注目のFOMCでは政策金利は据え置かれ、イエレンFRB議長の会見では今後の利上げ見通しを従来よりも緩やかにする姿勢が示されたことが好感された。また原油相場が大きく反発していることも材料視されている。この流れを受け、17000円を回復して始まると、一時17253.03円まで上げ幅を拡大させる場面をみせている。
 東証1部の騰落銘柄は、値上がり数が1500を超えており、全体の8割を占めている。規模別指数では大型、中型、小型株指数いずれも2ケタの上昇。セクターでは鉱業、機械、保険、銀行、その他金融、非鉄金属、建設、鉄鋼、海運、輸送用機器が堅調。半面、空運、食料品が小安い。

 日経平均は理想的な反発をみせている。テクニカル面では5日線を上回ってのスタートとなり、ボリンジャーバンドでは+1σと+2σとのレンジをキープ。さらに一目均衡表では雲下限が16828円まで切り下がりをみせる一方で転換線が支持線として機能していたが、転換線のサポートしつつ、雲下限を突破してきた。遅行スパンは上方転換シグナルを発生させており、雲下限突破によってセンチメントを明るくさせる。また、価格帯別出来高では16900-17100円での積み上がりが大きいが、これを再びクリアしてきたことも先高期待につながろう。
 もっとも、出来高は9億株台、売買代金は9445億円と低水準であり、金融イベントが通過する一方で、期末接近により機関投資家等は動きづらくなる。また、個人の売買についても、明日がIPOラッシュとなるため、大引けにかけては換金売りなどから、利益確定の流れが強まる可能性も意識されてくる。先高感は高まるものの、積極的に上値は追いづらい状況といったところか。(村瀬 智一)
《AK》

 提供:フィスコ

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