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【市況】後場に注目すべき3つのポイント~プラス圏回復も意識


11日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・大引けにかけてプラス圏を回復してくる展開も意識か
・ドル・円は113円14銭付近、日本株の下げ幅縮小で円売りも
・鬼怒ゴム<5196>、11:41から売買再開


■大引けにかけてプラス圏を回復してくる展開も意識か

日経平均は反落。146.80円安の16705.55円(出来高概算15億1000万株)で前場の取引を終えた。欧州中央銀行(ECB)は10日の理事会で包括的な金融緩和策を決めた。市場予想を上回る内容となり、評価材料になる。しかし、ドラギ総裁は現状の見通しに基づくと、さらなる利下げは想定していないと発言したことが“打ち止め”という格好で嫌気されているようだ。また、原油相場の下落や為替の円高傾向、さらに来週14、15日には日銀金融政策決定会合、15、16日にはFOMCを控えており、模様眺めムードも強い。

東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が過半数を占めているが、ほぼ値上がり値下がりが拮抗。規模別指数は大型、中型、小型株指数いずれも下げているが、小型株指数は小幅な下げにとどまっている。セクターでは鉱業、機械、保険、ゴム製品、非鉄金属などが下落。半面、鉄鋼、銀行、水産農林、空運が小じっかり。

日経平均は売り一巡後は底堅い値動きをみせており、下げ幅を縮めてきている。25日線や一目均衡表の転換線などのテクニカル面でのサポートも意識される。週末要因もあって模様眺めムードが強いとみられるが、このところは後場に入るとインデックスに絡んだ資金流入によって切り返す動きもみられていることもあり、大引けにかけてプラス圏を回復してくる展開も意識されよう。来週の日銀金融政策決定会合に対する期待感はないものの、ショートポジションは減らしておきたいところか。

また、日銀会合後は期末要因から配当志向の物色のほか、期末株価に対する思惑が高まりやすい。出遅れ感のある中小型株などには、短期筋の値幅取り狙いの資金が集中しやすいだろう。

(株式部長 村瀬智一)


■ドル・円は113円14銭付近、日本株の下げ幅縮小で円売りも

ドル・円は113円14銭付近で推移。リスクオフムードのなか日本株の下げ幅縮小に伴う円売りフローもみられた。

ドル・円は前日海外市場で付けた112円61銭から値を戻す展開。東京市場は113円19銭で寄り付いた後、日経平均株価の下げ幅拡大でドルは112円76銭まで下落。その後は日経平均の下げ幅縮小でドルは113円台に戻した。

欧州中銀(ECB)総裁が今後の緩和方針に否定的な見解を示したことでリスクオフムードが広がるなか、円売りフローが観測された。

ただ、ランチタイムの日経平均先物はマイナス圏ながら値を戻す展開が続いているものの上海総合指数は弱含む展開となっているため、ドルは午後の取引でも売り買い交錯となろう。

12時24分時点のドル・円は113円14銭、ユーロ・円は126円41銭、ポンド・円は161円54銭、豪ドル・円は84円80銭で推移している。

(為替・債券アナリスト 吉池威)


■後場のチェック銘柄

・ファナック<6954>、京セラ<6971>、ソフトバンクG<9984>で日経平均を約30円押し下げ
・鬼怒ゴム<5196> 日本政投銀のTOBを協議、11:41から売買再開
・新規「強気」の萩原工業<7856>、目標株価引き上げのセリア<2782>が堅調


☆後場の注目スケジュール☆

<国内>
・14:46 東日本大震災から5年

<海外>
・16:00 独・2月消費者物価指数改定値(前年比予想:0.0%、速報値:0.0%)

《SY》

 提供:フィスコ

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