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【市況】“打ち止め”に過剰反応、底堅さ意識ならアク抜け感も/オープニングコメント


 11日の日本株市場は不安定な相場展開になりそうだ。欧州中央銀行(ECB)は10日の理事会で包括的な金融緩和策を決めた。市場予想を上回る内容となり、評価材料になろう。ただし、ドラギ総裁は現状の見通しに基づくと、さらなる利下げは想定していないと発言したことが“打ち止め”という格好で嫌気される場面もみられていた。シカゴ日経225先物(6月限)の清算値は大阪比165円安の16545円となったが、一時16320円まで急落する場面もみられている。

 “打ち止め”に過剰反応したように映る。NYダウについては引けにかけて下げ幅を縮めており、織り込み済みとの見方から、シカゴ先物にさや寄せした後は底堅さが意識される可能性はある。昨日の上昇部分はあっさり帳消しにしてくるものの、あくまでもインデックスに絡んだ商いが中心であり、需給不安にはつながらないと考えられる。

 また、25日線や一目均衡表の転換線などのテクニカル面でのサポートも意識される。先物オプションSQが通過することで、動きやすくなる面もあるだろう。来週14、15日には日銀金融政策決定会合、15、16日にはFOMCを控えている。金融安定化に向けた各国の舵取りに市場の関心が集まりやすく、下値の堅さが意識される場面では、アク抜け感が台頭することも考えられる。

 とはいえ、ナイトセッションで16320円まで下げており、通常取引でも意識されやすくなる。そのため物色の流れとしては中小型株やテーマ株等、需給良好な個人主体の資金が向かいやすい銘柄等により集中しやすいとみられる。
《AK》

 提供:フィスコ

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