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【市況】中小型株に資金が集中する展開へ/ランチタイムコメント


 日経平均は大幅に下落。276.06円安の16635.26円(出来高概算12億6000万株)で前場の取引を終えている。7日の米国市場はNYダウが5営業日続伸となる一方でナスダックは反落となるなど、まちまちの展開だった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比70円安の16880円となり、これにさや寄せする格好から小幅に続落して始まった。
 10-12月期GDP改定値は下方修正との見方が大勢だったが、物価変動を除く実質の平均値は前期比年率1.1%減と、速報値の1.4%減から上方修正された。これにより月内の日銀の金融緩和の可能性が後退する格好にもなり、次第に利益確定の流れが強まっている。また、為替市場では一時112円台後半と円高に振れているほか、上海市場が弱い動きをみせているなか、じりじりと下げ幅を拡大させている。
 東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が1700を超えており、全体の9割を超えている。セクターでは33業種全てが下げており、非鉄金属、海運、銀行、保険、証券、電力ガス、その他金融、医薬品などの弱さが目立つ。

 日経平均はソフトバンクグ<9984>、ファナック<6954>辺りが下支えする格好から、売り先行後は底堅さが意識されるとみていたが、予想以上の下げとなっている。GDP改定値が上方修正されたことにより緩和期待が後退したほか、円高が嫌気されている。また、週末にメジャーSQを控えているなか、権利行使価格の16875円から16625円まで下げていることから、ヘッジに伴う売りの影響も大きいであろう。
 日経平均は5日線を割り込んできており、目先的には25日線辺りが意識されやすいところである。インデックスに絡んだ商いにより、大きな切り返しは期待しづらいところであり、インデックスに振らされ難い中小型株へ資金がシフトしやすいと考えられる。ストップ高をつけるも、日経平均の大幅下落による警戒感から上げ幅を縮めている銘柄も多い。これら銘柄へ再び資金が集中する展開となるか注目されよう。(村瀬 智一)
《AK》

 提供:フィスコ

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