市場ニュース

戻る
 

【特集】ネクステージ Research Memo(8):メガプレーヤーが存在しない中古車販売市場


■国内中古車販売市場の動向

○ネクステージ<3186>の国内自動車販売市場動向
日本は、人口減少と少子高齢化により自動車販売市場が縮小傾向にある。国内新車販売台数(登録車+軽自動車)は1990年に778万台でピークを打った。中古登録車は、1997年の824万台が最高水準であった。2015年の販売台数は、新車販売が505万台、前年比9.3%減少した。登録車が4.2%減であったのに対し、軽自動車は16.6%の大幅な減少となった。同年4月に軽自動車税が増税になったことが影響した。一方、中古車の販売台数は、2015年1月-11月の累計で626万台、前年同期比0.9%減少した。登録車は同0.6%減、軽自動車は同1.2%減であった。中古車は、3年連続の減少と低迷が続いた。中古車の販売台数は、年間600万台を超えるものの、業者間の転売も含まれるため、小売ベースでは330万台程度と推測されている。

2015年12月単月では、登録車の新車販売台数は前年同月比3.1%増加した。同月に登場した新型トヨタプリウスで活気づいている。同モデルは、6年振りにフルモデルチェンジしており、燃費をリッター40キロ超としたうえ、新しい骨格「TNGA」(Toyota New Global Architecture)を採用するなど走行性能を向上させた。また、四輪駆動車(4WD)を、ラインアップに加えた。発売後1ヶ月間の受注台数は10万台と月間の販売目標の8倍超となった。納車まで3~4ヶ月程度を要し、グレードによっては6~7ヶ月待ちとなる。4代目のメーカー希望小売価格は、243万~320万円と前モデルの205万円からに比べ高くなる。4WDは267万~339万円の値付けとなった。

新型プリウスの好調な販売により、中古車市場へ下取り車の供給が増え、新車に連動して中古車の売買が活発化することが期待される。

円安傾向が止まり、世界的な原油安が国内のガソリン価格の低下に拍車をかけている。東京都区部のガソリン価格は、2014年7月の1リットル168円から2015年12月に123円まで下落した。消費者に節約疲れが出てきているところに燃料価格が低下しており、低燃費車や軽自動車以外にも購買意欲が広がることが期待される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)

《HN》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均