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【経済】NYの視点:英国EU離脱、英国やEUの分裂リスクに発展も


ポンド・ドルは7年ぶりの安値を更新した。英国の欧州連合(EU)離脱警戒感がくすぶっていることや政局不安でポンド売りに拍車がかかった。キャメロン首相が再任を果たしてまだ9か月もたたない。しかし、英国のEU残留の是非を問う6月23日の国民投票で、万が一、首相が英国のEU残留で国民を説得できなかった場合、辞任に追い込まれる可能性が指摘されている。格付け会社フィッチも英国のEU離脱は短期的な混乱を呼び長期的なリスクを生むと警告。理由として、1.英国企業のEUへのアクセスが不透明となるため投資を遅らせる、2.他のEUメンバーの離脱を阻止するためEUが処罰的な条件を導入するリスクが浮上すること、を挙げた。

キャメロン首相は離脱派に対して、国民投票前に英国とEUとの関係を改良すると約束。首相はEUとの合意交渉で、「4つの目標を達成した」と主張したものの、離脱派は英国とEUの関係の改善は「微々たるもの」と評価は低い。また、党首を務める与党保守党党員から「離脱」運動が起こった。ロンドンのボリス・ジョンソン市長は、英国が6月に行う欧州連合(EU)からの離脱か残留かを問う国民投票で「英国が権利を取り戻すため、キャメロン首相が合意した内容は不十分」との見解を示し、「離脱」を支持する考えを表明。英国民がEU離脱を選択したとしても、キャメロン首相は現職にとどまる意向を示している。しかし、与党保守党を分裂させるだけでなく、英国や欧州連合(EU)の崩壊にもつながりかねなく留任は困難との見方。

英国のEU離脱は英国のみならず欧州諸国にも打撃を与える。従って、ポンドと同様ユーロにとってもネガティブ材料となる。

《NO》

 提供:フィスコ

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