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【通貨】今日の為替市場ポイント:ドル・円は113円台で推移か、米利上げペース鈍化の思惑でドルの上値は重くなりそう


10日のドル・円は、東京市場では株安を嫌って115円26銭から114円26銭まで下落。欧米市場でドルは一時115円20銭まで戻したが、イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言を受けて113円12銭まで反落し、113円34銭で取引を終えた。


本日11日のドル・円は113円台で推移か。日本、中国市場は休場となるため、主要通貨の為替取引は動意薄の状態が続く見込みだが、米利上げペース鈍化の思惑や原油安を意識してドルの上値は重くなりそうだ。


10日に行われたイエレンFRB議長の議会証言では、金融環境のひっ迫(引き締まり)が長期化した場合、経済見通しを変更する可能性があるとの見解が示された。また、議会証言後に行われた質疑応答でイエレンFRB議長は「連邦公開市場委員会(FOMC)が近く利下げを行う必要に直面するとは想定していないが、金融政策はあらかじめ決められた軌道に乗っているわけではない。」と答えている。


市場参加者の間からは「3月利上げの可能性は排除されていない」との声が聞かれているが、利上げを行う必要性は大幅に低下しているのではないか?との見方が広がり、ドル売りを促す一因となった。


報道によると、イエレンFRB議長が議会に提出した報告では、「欧州中央銀行(ECB)と日本銀行の金融政策が米政策金利の道筋に影響を及ぼす」、「欧州、日本の金融政策と米国の金融政策の相違がこれまでドルを押し上げてきた」との見解が含まれていた。報告はドル高が米国の輸出や経済成長の伸び悩みにつながっていると指摘しており、市場参加者の間では米利上げは年内1、2回にとどまるとの見方が広がっている。

《MK》

 提供:フィスコ

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