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【市況】後場に注目すべき3つのポイント~ボトム確認しづらい需給状況、好業績銘柄等は冷静に押し目を探る


9日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・ボトム確認しづらい需給状況、好業績銘柄等は冷静に押し目を探る
・ドル・円は114円39銭付近、2014年11月以来の水準
・日経225採用銘柄のうち値上がりは日製鋼<5631>、東邦鉛<5707>のみ


■ボトム確認しづらい需給状況、好業績銘柄等は冷静に押し目を探る

日経平均は大幅反落。836.09円安の16168.21円(出来高概算14億3000万株)で前場の取引を終えた。8日の米国市場では、欧州で銀行の財務不安が再燃したほか、原油相場が30ドルを下回ったことが嫌気され、NYダウは一時400ドルを超す下落となる場面もみられた。その後は引けにかけて下げ幅を縮めているが、この流れを受けてシカゴ日経225先物清算値は大阪比540円安の16460円となり、これにさや寄せする格好で始まった。

しかし、リスク回避の流れが強まっており、その後も日経平均はじりじりと下げ幅を拡大させている。為替市場ではドル・円が1ドル114円台に突入し、債券市場で10年債利回りが一時、初めてゼロ%に低下。この流れも嫌気される流れから日経平均は前引けにかけて一段安となり、下落幅は800円を超えている。

セクターでは33業種全てが下げており、証券が8%超の下落だったほか、銀行、その他金融が6%を超える下げとなった。東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が1800を超えており、ほぼ全面安商状になっている。売買代金上位では全面安商状の中、COOKPAD<2193>、OLC<4661>が堅調。

日経平均は寄り付きをほぼ高値として下げており、長い陰線を形成。これにより1月21日につけた安値が射程に入ってきている。ただし、円相場が1ドル114円台に突入し、10年債利回りが初めてゼロ%となる中では、ダブル・ボトム形成を意識した押し目買いも入れづらいところであろう。週末にオプションSQを控えている中で、日中の荒い値動きによって先物市場ではヘッジに伴う売りなども警戒されやすく、買いを入れづらい需給状況である。

なにより、10日にイエレンFRB議長による米下院金融サービス委員会での証言が予定されている。米利上げペースへの思惑等から引き続き為替市場も含めて値動きの荒い展開になりやすく、リスク資産を売却する動きに向かわせやすい。とはいえ、COOKPAD<2193>、OLC<4661>が堅調に推移するなど、個別材料や決算を評価した物色は根強い。イレギュラー的な価格形成になりやすいが、好業績銘柄等は冷静に押し目を探りたいところである。

(株式部長 村瀬智一)


■ドル・円は114円39銭付近、2014年11月以来の水準

ドル・円は114円39銭付近で推移。ドル・円は売りが続き、2014年11月以来、1年3カ月以来の水準となった。

ドル・円は115円後半で寄り付いたが、株安が強まったことからドル売りが進んだ。114円90銭近辺で国内投資家などのドル買いが観測されており、リスク回避的な円買いが弱まる場面もみられた。

しかし、株安に歯止めがかからず、日経平均株価は一時800円超安となったことから、ドルは一時114円44銭まで値を切り下げた。

米原油先物ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)は下げ渋っているが、ランチタイムの日経平均先物は900円超下げていることから、ドルは午後も下落圧力が強まろう。

12時23分時点のドル・円は114円39銭、ユーロ・円は128円47銭、ポンド・円は165円06銭、豪ドル・円は80円40銭で推移している。

(為替・債券アナリスト 吉池威)


■後場のチェック銘柄

・Fリテ<9983>、KDDI<9433>、ソフトバンクグ<9984>で日経平均を約139円押し下げ
・日経225採用銘柄のうち値上がりは日製鋼<5631>、東邦鉛<5707>のみ
・目標株価引き上げの相鉄HD<9003>、西鉄<9031>がしっかり


☆後場の注目スケジュール☆

<国内>
・特になし

<海外>
・15:45 スイス・1月失業率(予想:3.5%、12月:3.4%)
・16:00 独・12月鉱工業生産(前月比予想:+0.5%、11月:-0.3%)
・16:00 独・12月貿易収支(予想:+200億ユーロ、11月:+205億ユーロ)
・中国休場(春節、8日-13日)
・香港休場(旧正月、8日-10日)
・ブラジル休場(カーニバル、8日-9日)

《SY》

 提供:フィスコ

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