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【特集】【中国の視点】「不動産バブル」崩壊開始か、政府が住宅購入の最低頭金引き下げ


中国人民銀行(中央銀行)は2日、購入制限が実行されていない都市について、住宅購入時の最低頭金比率を従来の25%から20%まで引き下げると発表した。これにより、大量の住宅在庫を抱えている中小型都市の不動産市場の低迷がやや解消されると期待されている。

一方、専門家は、最低頭金の引き下げについて、住宅市場を刺激する効果が限定的だとの見方を示した。地方都市の持ち家世帯率が高い上、賃貸需要が低いため、住民の購入意欲を引き出すことが困難だと指摘した。また、都市部への農民移住計画について、農民の購買力が引き続き弱い上、労働市場が安定していないため、無計画な大量移住が治安問題まで発生する恐れがあると警告した。

一部では、人民銀がこのタイミングで住宅ローン緩和策を発表したことについて、中国の不動産バブルがすでに崩壊し始めているためだとの見方を示した。日本の不動産バブルが崩壊した90年代、経済成長や雇用市場の安定化を図るため、日本政府が国債発行規模の拡大や財政支出の拡大、投資拡大などの手法を用いた背景があった。

今の中国について、若年労働人口や都市部への出稼ぎ労働者の減少、企業在庫や経営状況が悪化している国営企業の増加、不動産・製造業投資の減少が挙げられている。インフラ・プロジェクトの承認加速などを通じて成長ペースを加速させるとの中国政府の策略が日本とほぼ同じだと指摘された。
《ZN》

 提供:フィスコ

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