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【特集】リアルワールド Research Memo(11):マークアイの子会社化による財務状態の悪化は一時的


■財務状況

リアルワールド<3691>の2015年9月末の総資産残高は前期末比1,211百万円増加し3,299百万円となった。内訳を見ると、流動資産が同91百万円増加したが、これはマークアイを連結したことに伴う資産増加が主要因。一方、固定資産は同1,113百万円増加し1,230百万円となった。流動資産の増加と同様にマークアイを連結したことによる資産の増加に加えて、本社移転に絡んだ資産の増加が主要因。具体的には、のれんが494百万円、敷金及び補償金が144百万円、建物等の有形固定資産が187百万円増加した。

負債合計は同1,064百万円増加し2,022百万円となった。内訳を見ると、流動負債が606百万円、固定負債が458百万円増加した。これは、マークアイを連結したことによる負債の増加と、借入金・社債による資金調達を行ったことによる。純資産は新株発行により資本金、資本準備金がそれぞれ6百万円増加したほか、当期純利益の計上により利益剰余金が53百万円増加したことが主要因。

キャッシュ・フローの状況を見ると、2015年9月末における現金及び現金同等物の残高は前期末より332百万円減少し、892百万円となった。営業活動によるキャッシュ・フローは売上債権の増加や未払法人税の減少がマイナス要因として働き、22百万円の支出となった。また、投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得、敷金及び保証金の差し入れ、マークアイを取得したことによる支出により997百万円の支出となった。一方、財務活動によるキャッシュ・フローは687百万円の収入となった。これは、長短借入金の実施に加えて、社債を発行したことが主要因。

マークアイのM&Aにより健全性、収益性を表す経営指標は一時的に悪化した。クラウドソーシング市場自体が急成長を遂げている途上であるため、関連事業者は投資が不可欠な状態となっていること、今後はマークアイの子会社化の効果顕在化による収益改善が期待されること、などからすると、許容の範囲内で問題視する必要はないと弊社ではみている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正)

《HN》

 提供:フィスコ

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