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【特集】<話題の焦点>=東京五輪に向け「超人スポーツ」本格普及へ

 今年は、“超人スポーツ”が話題を集めそうだ。超人スポーツというのは、いつでも、どこでも、誰もが楽しむことのできる新たなスポーツと位置づけられている。人間の身体能力を補い・拡張する人間拡張工学に基づき、人の身体能力を超える力を身につけ「人を超える」、あるいは年齢や障害などの身体差により生じる「人と人のバリアを超える」のが目的。こうした超人(スーパーヒューマン)としてフィールドなどで競う、「人機一体」の新たなスポーツを創造するというものだ。

 具体的には、ウエアラブルデバイスや義体化技術により、人の五感や運動機能を拡張して、人を超える身体能力を生み出す“身体の拡張”がある。また、遠くを見渡せる装具やどんな人でも魔球を投げられる球を開発し、個人の能力差を越えスポーツの可能性を広げるといった“道具の拡張”がある。さらに、人の行動範囲を、陸上から空や水、さらにはバーチャルな世界にまで広げ、新たなスポーツの舞台を創造する“フィールドの拡張”がある。

全員参加可能な「ゆるスポーツ」の側面も

 身体に障害のある人や高齢者、男女の隔たりなく参加できるように、ハンディを調整したり、技術で身体能力を補ったりと、昔ながらのスポーツにはない自由さがあり、いわば「ゆるスポーツ」ともいうとらえ方もできる。

 2020年の東京オリンピック・パラリンピックに合わせ、超人五種競技の国際大会も目指している。古代ローマの戦車競技の馬の代わりに移動ロボットに戦車を引かせる「キャリオット」や、ジャンピングシューズとエアクッションを装着して相撲をとる「バブルジャンパー」などが既に具体化している。

 関連銘柄としては、スポーツ関連施設で業界トップの地位を占めると同時に、超人スポーツに欠かせない要素である“ゲーム性”の面でも、家庭・携帯用ゲームコンテンツで長年培ったノウハウを持つコナミホールディングス<9766>がある。また、医療・介護現場などでの作業用ロボットスーツ「HAL」の開発で注目を集めるCYBERDYNE<7779>なども、超人スポーツ用のロボット開発も視野に入りそうだ。一方、特殊加工ガラス製造で定評のある岡本硝子<7746>は、AR(拡張現実)、VR(仮想現実)に欠かせないヘッドマウントディスプレー(頭部装着ディスプレー)に画像を映し出すために用いられる凹面鏡ガラスの製造を手掛けている。

 このほかに、電動車いすメーカーのスズキ<7269>や、ヤマハ発動機<7272>。スポーツ用品大手のアルペン<3028>、ゼビオホールディングス<8281>にも注目したい。

出所:株式経済新聞(株式会社みんかぶ)

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