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【市況】後場に注目すべき3つのポイント~円高や原油安一服で自律反発の流れに


21日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・円高や原油安一服で自律反発の流れに
・ドル・円は117円33銭付近、日本株高受けドル堅調
・スクリン<7735>や東エレク<8035>、アドテスト<6857>など半導体製造装置の一角が強い


■円高や原油安一服で自律反発の流れに

日経平均は反発。265.92円高の16682.11円(出来高概算12億6000万株)で前場の取引を終えた。20日の米国市場では、NYダウが一時565ドル安と昨年8月安値水準まで下げる場面もあった。ただし、引けにかけて下げ幅を縮小し、249ドル安で取引を終えた。この引けにかけての下げ幅縮小が安心感にもつながっており、日経平均は前日の600円を超える下げに対する自律反発の流れが先行した。

東証1部の騰落銘柄は、値上がり数が1300を超えており、全体の7割近くを占めている。規模別指数では大型、中型、小型株指数いずれも2ケタの上昇。セクターでは、空運、ゴム製品、ガラス土石が3%を超える上昇となったほか、電気機器、その他製品、鉱業、証券、機械、鉄鋼が2%を超える上昇に。一方で食料品、その他金融が小幅安だった。

日経平均は前日の下げに対する自律反発をみせている。中国上海指数はマイナス圏で推移しているが、原油先物相場が上昇して推移していることが安心感につながっているようである。為替市場も1ドル117円35銭辺りと円高が一服しており、先物主導によるインデックス買いによって主力大型株を中心に買いが広がっている。

また、安倍首相の側近は、世界的な市場の混乱が「アベノミクス」の支障となる恐れがあるため、日本銀行は来週の金融政策決定会合で追加緩和すべきとの見方を示した。米紙WSJに対し、匿名で述べたと報じている。来週の金融政策決定会合での追加緩和期待なども高まってきており、ショートカバーにつながっている面もありそうだ。

もっとも、明確な底打ち感は出ておらず、引き続き中国や原油相場の動向に振らされやすい需給状況になると考えられる。また、決算が本格化する中、本日引け後の日本電産<6594>が安心感につながるかが注目されよう。

(株式部長 村瀬智一)


■ドル・円は117円33銭付近、日本株高受けドル堅調

ドル・円は117円33銭付近で推移。日経平均株価の上昇を好感した値動き。

ドル・円は朝方116円90銭を付けた後、堅調な日経平均に連動して値を上げ、午前中は一時117円48銭まで上昇した。日本銀行は来週の金融政策決定会合で追加緩和を実施するとの思惑が浮上していることも、ドル相場を下支えしている。

ランチタイムの日経平均先物は前日比400円超となっていることから、午後の取引ではリスク選好的なドル買いは強まるだろう。ただ、中国本土株はマイナス圏推移となっているため、ドルの上値は重そうだ。

12時35分時点のドル・円は117円33銭、ユーロ・円は127円63銭、ポンド・円は166円38銭、豪ドル・円は81円26銭で推移している。

(為替・債券アナリスト 吉池威)


■後場のチェック銘柄

・ソフトバンクG<9984>、京セラ<6971>、ファナック<6954>が日経平均値上がり寄与度上位
・スクリン<7735>や東エレク<8035>、アドテスト<6857>など半導体製造装置の一角が強い
・新規強気のインフォコム<4348>、目標株価引き上げの小野薬<4528>がしっかり


☆後場の注目スケジュール☆

<国内>
・13:30 11月全産業活動指数(前月比予想:-0.7%、10月:+1.0%)

<海外>
・特になし

《SY》

 提供:フィスコ

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