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【通貨】欧米為替見通し:ポンド・ドルは売り継続か、原油安と早期利上げ観測後退で


今日の欧米外為市場では、ポンド・ドルの売りは続きそうだ。相関性の高い原油価格は一段安となっているほか、英国の早期利上げに悲観的な見方が強まったことが背景。ただ、1986年以降、30年間にわたり下値支持線として機能する1.4ドルに接近した場合には、ポンド売りが弱まる可能性はあろう。

20日のアジア取引時間帯では、原油価格が一段安となり、米原油先物ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)は一時27.49ドルまで下落。2003年9月以来、12年4カ月ぶりの安値水準となった。また、北海ブレント原油も前日いったん値を戻したが、再び28ドル台まで下落。2003年12月以来の安値圏で推移している。米欧の対イラン経済制裁解除によるイラン産原油の輸出拡大観測を受け、供給過剰を背景とした一段の先安懸念から、相関性の高いポンドは売られやすい。

また、英中銀による「ハト派」的なスタンスも、ポンドの押し下げ要因。英中銀のカーニー総裁は19日の講演で、「今はまだ利上げの時期ではない」、「英国のインフレは低水準で長期化する可能性がある」などと発言。同日発表の英・12月消費者物価コア指数の予想上振れを受け、ポンド・ドルは1.4340ドルまで上昇したが、こうした発言を受け1.4130ドルまで売り込まれた。アジア取引時間帯でも1.4150ドル台と安値圏推移は続いた。英中銀は2016年前半の利上げが見込まれるものの、早期利上げ観測は急速に後退したことからポンド売りは続きそうだ。ただ、1.4ドルは、1986年以来、30年間の長期にわたり下値支持線として機能している。この水準に接近した場合、ポンド売りは弱まるかもしれない。

【今日の欧米市場の予定】

17:00 南ア・12月消費者物価指数(前年比予想:+5.2%、11月:+4.8%)
18:30 英・9-11月ILO失業率(予想:5.2%、8-10月:5.2%)
20:00 南ア・11月小売売上高(前年比予想:+2.7%、10月:+3.3%)
21:00 米・MBA住宅ローン申請指数(先週)(前回:+21.3%)
22:30 米・12月消費者物価指数(前年比予想:+0.8%、11月:+0.5%)
22:30 米・12月住宅着工件数(予想:120.0万戸、11月:117.3万戸)
22:30 米・12月住宅建設許可件数(予想:120.0万戸、11月:128.9万戸)
24:00 カナダ中銀が政策金利発表(0.50%に据え置き予想)

《SY》

 提供:フィスコ

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