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【特集】スターティア Research Memo(1):本質的な収益力は不変。新商材を武器に成長路線への回帰に期待


スターティア<3393>は、大手SI企業やネットワーク機器ディーラーなどが入って来ず、一方でIT担当者を専任で配置できない従業員数300人以下の中小企業に対し、ハードからシステム構築、運用、保守まで、IT関連サービスをワンストップで提供している。

2016年3月期第2四半期(2015年4月?9月)決算は、売上高は期初計画を達成したものの、利益面では期初予想を大きく下回っての着地となった。原因は明確で、これまで収益のけん引役であった電子ブック作成ソフト「ActiBook」とARサービス「COCOAR(ココアル)」の販売が計画を大きく下回ったことが理由だ。これらの製品は利益率が非常に高いため、売上高については他の商品で埋め合わせができても、利益の埋め合わせができなかった。

両製品の販売不振の原因も明確だ。両製品のターゲット顧客層がアーリー層からマジョリティ層へと変化していることへの対応が遅れたことが要因だ。顧客層の変化に応じて、同社側も販売方法を見直す必要があったにも関わらず、従来どおりの販売法を続けたために、販売へと結び付けることができなかった。こうした状況に対して既に対策を打ち、第3四半期から盛り返している。上期の状況はあるものの、同社は通期業績予想を期初から変更していない。

今第2四半期の業績未達は、基本的に一時的な要因であると考えており、本質的な収益力や中期的な成長シナリオについては、弊社の見方は変わっていない。現状の光回線「スターティア光」及びO2Oマーケティングサービスの「AppGoose」に加え、今期は「セキュアMyNUMBER(セキュアマイナンバー)」が追加された。さらに、2016年4月からは電力小売完全自由化、2017年にはガスの完全自由化と、同社にとって魅力的な新商材が目白押しだ。収益源であるActiBookとCOCOARの販売立て直しができれば、同社は再び成長路線に回帰してくると弊社では期待している。

■Check Point
・強い営業力と表裏一体となる魅力的な新商材の開発に注力
・通期は増収・営業増益・経常増益を見込む
・株主還元に積極的、配当性向基準を15%に引き上げ

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《RT》

 提供:フィスコ

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