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【市況】前場に注目すべき3つのポイント~引き続き波乱の展開、目先は売り安心感の中でのショート戦略か


12日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:引き続き波乱の展開、目先は売り安心感の中でのショート戦略か
■外資系証券の注文動向:差し引き20万株の売り越し
■前場の注目材料:ミャンマー、日本の生活用品を試験販売


■引き続き波乱の展開、目先は売り安心感の中でのショート戦略か

12日の日本株市場は、引き続き波乱の展開になりそうだ。2015年12月の米雇用統計では、雇用者数の伸びは好感されたものの、原油先物相場の下げが嫌気された。11日のシカゴ日経225先物清算値は17390円と8日の17280円から下げ幅を縮めているが、それでも大阪の8日終値から300円安の水準に下げている。世界第2位の原油消費国である中国の景気不安に原油価格の30ドル割れが視野に入るなか、市場の関心は日経平均の大発会からの連続安記録といったところになりそうだ。

まずは、中国市場が落ち着きをみせてくるかが注目されよう。中国はボラティリティの高い状況が続くとみられ、しばらくは目が離せない。一方で、中国経済の不透明感が強いなか、世界の金融市場を揺さぶっている中国が落ち着きを見せてくることになれば、東京市場もリバウンドが意識されてくる。

このところは中国市場の始まりと合わせて売り仕掛け的な流れが強まっていたように映る。ショートポジションはかなり積み上がっていると考えられる。目先は売り安心感の中でショート戦略が奏功しそうだが、ショートポジションの傾きには注意を払う必要がありそうだ。また、引き続き不安定な需給状況が続く可能性があるものの、一方で今回の世界株安の中では日銀の金融緩和期待が再燃しやすいだろう。

なお、決算発表が本格化してくるが、足下の円高傾向によって下期の業績上振れ期待が後退している。ただし、その中で予想を上回る決算ともなれば、資金が集中しやすいため、先回り的な動きは限られるものの、内容を確認してからの決算を手掛かりとした物色は強まりやすいだろう。

(株式部長・アナリスト 村瀬智一)


■外資系証券の注文動向:差し引き20万株の売り越し

朝の外資系証券6社経由の注文状況は、売り1680万株、買い1660万株、差し引き20万株の売り越しとの観測。なお、直近5日分の注文動向は以下の通り。

1月4日(月):350万株の売り越し
1月5日(火):450万株の買い越し
1月6日(水):400万株の売り越し
1月7日(木):10万株の売り越し
1月8日(金):510万株の売り越し


■前場の注目材料

・NY原油一時12年ぶりの30ドル台(31.41、-1.75)、NYダウ(16398.57、+52.12)
・ミャンマー、日本の生活用品を試験販売
・シャープ<6753>支援要請方針、追加で1500億円規模取引行に
・東芝<6502>三重に半導体新工場、分社・上場論は後退


☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・08:50 11月経常収支(予想:+8950億円、10月:+1兆4584億円)

<海外>
・特になし

《SY》

 提供:フィスコ

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