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【市況】後場に注目すべき3つのポイント~中国落ち着き、売り方の利益確定の動きが意識されやすい


8日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・中国落ち着き、売り方の利益確定の動きが意識されやすい
・ドル・円は118円34銭付近、人民元基準値の小幅上昇で118円回復
・Fリテ<9983>が日経平均を約63円押し下げ


■中国落ち着き、売り方の利益確定の動きが意識されやすい

日経平均は反発。69.56円高の17836.90円(出来高概算14億8000万株)で前場の取引を終えた。中国経済への懸念が強まる中、7日の米国市場ではNYダウが一時400ドルを超える下落となった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比90円安の17570円であり、これにさや寄せする格好から始まった。また、ファーストリテ<9983>が決算を嫌気して6%安で寄り付いたことも日経平均の重石となった。オプションSQに絡んだ売買も日経平均を押し下げる要因となり、日経平均は寄り付き直後には一時17509.64円まで下げる場面もみられた。

その後は中国市場に関心が集まる中、サーキットブレーカー制度の停止を発表した中国市場が比較的落ち着いた動きとなったことが安心感につながり、ショートカバーから日経平均はプラスに転じている。東証1部の騰落銘柄は、高安まちまちとなり、若干値上がり数が上回っている。セクターではゴム製品、パルプ紙、輸送用機器、その他製品が上昇。半面、海運、建設、電力ガス、小売、鉱業が冴えない。

中国市場を睨みながらの展開となっているが、比較的落ち着いた値動きをみせており、安心感につながっている。楽観視はできないものの、日経平均は年初から1200円超も下げていたこともあり、売り方の利益確定の動きが意識されやすいだろう。中国市場が再び下落基調が強まったとしても、この水準から改めて売り直す流れも考えづらく、東京市場も次第に底堅さが意識されてくる可能性がある。

ショートカバー中心のためインデックスに絡んだ売買から、主力処が中心になりやすい。ただし、目先的な底入れへの意識が高まってくるようだと、中小型株へも物色が広がりをみせてくる可能性はあると考えられる。

(株式部長 村瀬智一)


■ドル・円は118円34銭付近、人民元基準値の小幅上昇で118円回復

ドル・円は118円34銭付近で推移。人民元基準値が前日よりも小幅高に設定されたことを好感した値動き。

ドル・円は朝方117円50銭を付けた。その後、人民元の対ドルレートの基準値が前日よりも小幅高めに設定されたことで市場にはやや安心感が広がり、日経平均株価や上海総合指数が上昇。これを受け、ドル・円は一時118円60銭まで切り返した。

ランチタイムの日経平均先物は堅調のため、ドル・円は目先も底堅い値動きとなる見通し。ただ、中国株はやや不安定な動きを続けており、株価反落の可能性は残されていることから、リスク選好的な円売りは限定的となりそうだ。

12時30分時点のドル・円は118円34銭、ユーロ・円は128円79銭、ポンド・円は173円21銭、豪ドル・円は83円58銭で推移している。

(為替・債券アナリスト 吉池威)


■後場のチェック銘柄

・Fリテ<9983>が日経平均を約63円押し下げ
・半導体製造装置の関連銘柄で強い値動き
・新規買い推奨のレオパレス<8848>、投資判断引き上げのニューフレア<6256>しっかり

☆後場の注目スケジュール☆

<国内>
・14:00 11月景気動向指数・先行(予想:103.9、10月:104.2)

<海外>
・15:45 スイス・12月失業率(予想:3.4%、11月:3.4%)
・16:00 独・11月鉱工業生産(前月比予想:+0.5%、10月:+0.2%)
・16:00 独・11月貿易収支(予想:+202億ユーロ、10月:+225億ユーロ)
・16:00 独・11月経常収支(予想:+210億ユーロ、10月:+230億ユーロ)

《SY》

 提供:フィスコ

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