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【通貨】欧米為替見通し:人民元は弱含みか、欧米で取引拡大も経済指標下振れなどを嫌気


今日の欧米の外為市場では、中国人民元は弱含みそうだ。取引時間の延長に伴い、国際化が進められる元の需要増が見込まれるため、欧米市場での取引は拡大する見通し。ただ、直近の経済指標の下振れや中国株安が嫌気され、元売りに振れる展開を予想する。

中国人民銀行(中銀)は今日以降、人民元の取引終了時間を16時半(日本時間17時半)から23時半(同24時半)に延長する。取引時間はこれまでの7時間から14時間に倍増。国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)構成通貨に人民元が採用されたことを受け、欧米の金融機関に配慮した対応で、人民元の国際化を加速させる狙いがある。なお、取引の目安となる基準値の設定は、16時半のレートが参考にされる。

ただ、取引延長の初日はさえない値動きとなりそうだ。1日発表の中国・12月製造業購買担当者景況感指数(PMI)は49.7と、11月実績の49.6を上回ったものの、予想の49.8を小幅に下振れた。また、4日発表の12月財新PMI製造業は48.2となり、市場コンセンサスの48.9と11月実績の48.6をそれぞれ下回った。これらの経済指標が材料視され、アジア取引時間帯では中国株安・元安に振れた。こうした動きを受け、ある邦銀の外為ストラテジストは、欧米では1ドル=6.51元台の取引を予想する。反面、ドルが軟調地合いとなっていることから、過度な元安は想定しにくい。

人民元は昨年、通貨安政策を背景に対ドルでは4.7%下落した。今年も下落基調は続き、元は年央に対ドルで6.7元まで下落すると市場では予想されている。

【今日の欧米市場の予定】

・18:00 ユーロ圏・12月製造業PMI改定値(予想:53.1、速報値:53.1)
・18:30 英・11月製造業PMI(予想:53.0、10月:52.7)
・22:00 独・12月消費者物価指数速報値(前年比予想:+0.6%、11月:+0.4%)
・24:00 米・12月ISM製造業景況指数(予想:49.0、11月:48.6)
・24:00 米・11月建設支出(前月比予想:+0.6%、10月:+1.0%)

《SY》

 提供:フィスコ

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