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【経済】NYの視点:OPECの大胆予想、2040年までに原油1バレルが160ドルとも


米国経済の急減速に対する警戒感はやや低下しているようだ。中国経済の持続的な経済成長への期待も失われていない。米・中が2016年も穏当な経済成長を維持できれば、原油先物は来年中に60ドル程度まで戻すとの声が聞かれている。

原油安の長期化が懸念されているが、OPEC(石油輸出国機構)が23日発表した世界石油予想(World Oil Outlook)によると、いわゆる「オイル・バスケット」の名目価格は、2040年までに1バレル=160ドルを超えるそうだ。

原油価格が大幅に上昇する理由として、同報告は世界人口の増加による需要拡大を挙げている。世界の人口は2014年の72億人から2040年には90億人に増えると予想されている。人口増加につれて世界経済の規模は拡大し、OPECは今後25年で原油需要が2倍以上になると予測している。

市場参加者の間では、2040年時点で石油取引における米ドルの使用は激減しているのではないか?との見方も存在する。また、米ドル相場の大幅な減価によって米ドル建ての原油価格が大幅に上昇することもあり得ると指摘している。

OPECはエネルギー資源としての原油需要が現在よりも大幅に増加することを想定しているが、2016年の米国経済が予想以上に悪化した場合、原油価格の将来予測は大きく異なるものになるかもしれない。1バレル=160ドルは絶対ないとは言えないが、現時点でそのような予測を公表するのは何かワケがあるのかもしれない。
(小瀬正毅)

《NO》

 提供:フィスコ

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