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【通貨】欧米為替見通し:ドル・円は底堅い、来年以降の先高観で


今日の海外市場では、ドル・円は底堅い値動きとなりそうだ。米利上げを受け来年以降のドル先高観を背景に、前日海外市場で売られたドルに押し目買いが入りやすい見通し。ただ、原油価格が引き続き安値圏で推移していることやスペイン総選挙をきっかけとしたユーロのポジション調整による買戻しが、上値を抑える可能性がある。

欧米市場はクリスマス休暇に入り閑散商いが見込まれるなか、米経済指標が手がかりとなりそうだ。今日は7-9月期国内総生産(GDP)確定値(22時半)、11月中古住宅販売件数(24時)、12月リッチモンド連銀製造業景況指数(24時)などの発表が予定されている。米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げの後だけに、いずれも市場コンセンサスを大きく下回らなければドル売りは強まらないと市場ではみられている。邦銀のある外為ディーラーはFRBによる利上げについて「他の中銀の金融政策とは方向性が違うので、長期的にはドル買いとの見方に変わりはない」と指摘する。

一方、米国産原油の輸出解禁で供給過剰懸念が一層強まっており、原油価格が安値圏から抜け出すことが困難な状況が続いている。足元では下げ渋っているが、リスク選好の円売りにはつながりにくい。また、20日のスペイン総選挙の結果が、選挙前に積み上がったロングポジションの解消につながり、為替相場はユーロ高・ドル安に振れている。欧州市場でも同様の動きになれば、ユーロ買い・ドル売りを起点としたドル売り・円買いの流れとなる可能性がある。ドル・円は120円後半から121円前半の水準では押し目買い意欲は強いものの、上値が重くなるかもしれない。

【今日の欧米市場の予定】

・18:30 英・11月公的部門純借入額(銀行部門除く)(予想:+118億ポンド、10月:+82億ポンド)
・22:30 米・7-9月期GDP確定値(前期比年率予想:+1.9%、改定値:+2.1%)
・23:00 米・10月FHFA住宅価格指数(前月比予想:+0.5%、9月:+0.8%)
・24:00 米・11月中古住宅販売件数(予想:534万戸、10月:536万戸)
・24:00 米・12月リッチモンド連銀製造業景況指数(予想:-1、11月:-3)

《SY》

 提供:フィスコ

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