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2015年12月15日16時58分

【特集】J-オイルミルズ Research Memo(4):非製油分野ではスターチ分野の成長に注目


■成長戦略

(1)第4期中期経営計画の2年目、構造改革を推進中

今年度は、2015年3月期を初年度に、2021年3月期を最終年度とする第4期中期経営計画(7年間)の2年目に当たる。1)製油領域での構造改革、2)非製油・食品ファイン領域での事業構造の変革、3)海外展開、4)CSR経営の実践、5)組織の変革、6)人材の育成・変革など6つの構造改革を行う意欲的な計画である。想定外の外部環境の変化(円安、ミール安、製品価格の下落など)により、業績的には出鼻をくじかれた形ではあるが、抜本的な構造改革を断行する方向に変わりはない。

(2)製油分野の構造改革:オリーブオイル・機能特化油などの高付加価値オイルの進展

家庭用油脂の市場は、消費者の健康志向を背景にオリーブオイルやごま油を始めとする付加価値油が約5割弱をしめ、調味料やサプリメントとしての需要が伸長している。従来の植物油は加熱用が主流であったが、現在伸びている高付加価値オイルは主に非加熱用であるという特徴がある。特にオリーブオイル市場においては、J-オイルミルズ<2613>は市場シェアでトップを走る。2010年度のオリーブオイル製品売上を1とした時に、2015年度は1.57まで成長する見込みであり、今後も伸びが期待できる。「AJINOMOTO」と「FILIPPO BERIO」の2ブランドで、エクストラバージンからフレーバーオイル(ガーリックやバジルなどの風味を付加した商品)を展開する。メニュー提案などの販促施策も積極的に行っており、市場の伸びに伴って右肩上がりに成長している。現在、高付加価値オイルの新商品ラインを開発中であり、更なる市場の活性化につながるか注目したい。

業務用油脂市場は、油脂市場全体の約40%を占める。この市場においても、付加価値の高い機能性油脂が伸長している。同社は業務用市場で約50%を誇り、機能特化油の分野でも積極的な商品ライン展開を行う。例えば、ご飯の釜へのこびりつきを低減する「炊飯油」や炒めものがフライパンに焦げつきにくい「炒め油」、また天ぷらの衣がきれいに咲きやすい「花咲油」など顧客の課題を解決する提案型の取り組みで着実な伸びをみせている。

(3)非製油・その他事業の育成

非製油分野においては、スターチ分野の成長に注目したい。スターチとは主にとうもろこし由来のでんぷんで、食品加工において様々な機能を果たす。例えば食品用コーンスターチ及びタピオカ澱粉は、米菓用途や即席麺用途などの需要が底堅い。高付加価値スターチ製品の事例としては、肉の食感を改良し歩留りを向上させる機能を持つ「ハイトラストRシリーズ」「ネオトラストRシリーズ」があげられる。顧客先である製造加工業や流通業の現場から支持され、2010年度の製品売上を1とした時に、2015年度は1.7まで成長する見込みだ。

同社の業績を考える上では、製油分野における汎用油の構成が高いために、製油分野の高付加価値化や非製油シフトの成果は確認しづらい。しかし、第四期中計のもと、着実に布石が打たれ一部で成果が生まれている。新社長による新体制下、改めて構造改革にアクセルが踏まれ、早期に業績に反映されることを期待したい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)

《HN》

 提供:フィスコ

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