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【特集】ティア Research Memo(4):連続で過去最高業績を更新


■決算動向

(1) 2015年9月期の業績概要

11月9日付で発表されたティア<2485>の2015年9月期の業績は、売上高が前期比7.1%増の10,205百万円、営業利益が同8.6%増の1,077百万円、経常利益が同10.5%増の1,022百万円、当期純利益が同19.0%増の652百万円となり、連続で過去最高業績を更新し、期初計画比でも売上高、利益ともに上回る格好となった。

なお、四半期ベースの営業利益で見ると、第3四半期の243百万円から第4四半期は97百万円に落ち込んでおり、収益が悪化したように見えるが、これは8月に直営店を2店舗出店し、出店費用だけで30百万円弱かかったことや、店舗修繕費用を前倒しで実施したことにより50百万円の費用を追加計上したことが要因となっており、本業の収益動向については引き続き順調に推移している。

2015年9月期の出店状況としては、直営店舗を4店舗(2014年11月、2015年1月に名古屋市内に2店舗、2015年8月に愛知県内に2店舗)、FC店舗を2店舗(2015年3月、岐阜県内)開設し、合計で79店舗体制とした。また、葬儀ニーズの多様化に対応するため、既存会館2店舗の改修工事を行い、小規模葬に対応した設備を増設した。葬儀件数は直営、FC含めて前期比12.0%増の11,823件となった。

(2)事業別動向

○葬祭事業
葬祭事業の売上高は前期比6.8%増の9,887百万円、営業利益は同4.7%増の1,647百万円となった。売上高は葬儀単価の下落を葬儀件数の増加でカバーした格好だ。葬儀単価については前期比3.8%減の107.2万円となり、期初計画に対しても1.3%下回った。下落要因は前述したように、送迎バスの取り扱い方法変更による影響で2.2%と見込んでおり、実質の下落率は1.6%となっている。主に祭壇や葬儀付帯品、供花などの単価が若干下落した。想定を下回った一因として、顧客ごとに適切な葬儀内容、価格を提案する葬儀アドバイザリーのスタッフ数(現在10人)が、葬儀件数の拡大に追い付かなかったことも挙げられる。

一方、葬儀件数は前期比9.8%増の8,019件となり、期初計画を2.6%上回った。新店が予定通り順調に立ち上がったことに加えて、既存店の葬儀件数が前期比6.2%増と直近3年間の平均である1.4%と比較して、伸びが大きかったことが挙げられる。期初計画では既存店の葬儀件数を2.6%増で見ていた。葬儀件数の増加要因としては、会員数拡大に向けた取り組みや、会館でのイベント開催など認知度向上に向けた広告宣伝活動を強化した効果によるものと考えられる。なお、同社が主力エリアとする名古屋市内の斎場利用シェアを見ると、前期比0.4ポイント上昇するなど、市場シェアも着実に上昇している。

○FC事業
FC事業は売上高が前期比18.5%増の318百万円、営業利益が同16.9%増の50百万円となった。FC店舗が前期比で2店舗増加したことに伴うロイヤリティ収入の増加に加え、会館向けの物品販売や新規に2社がFCに加盟したことによる加盟料などが寄与した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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