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【経済】中国:発電設備容量が世界最大規模に、平均11%成長で14年は1361GW


急ピッチな経済成長を追い風に、中国の発電設備容量は他国を上回るペースで拡大し
てきた。中国電力企業連合会などのデータによると、2014年末時点の発電設備容量は
1361.1ギガワット(GW)と世界最大。05~14年の年平均成長率は11.4%に達した。今
後は国内景気の減速で電力需要が鈍化するなか、発電設備容量の伸びもペースダウン
する見込みだが、年間平均で120.6GWの拡大が予測されるという。これは、英国とス
イスを合算した14年容量に相当する規模だ。

電源別では、火力が依然として主力だが、原子力や風力、太陽光などが高成長を示
す見通し。中国政府が環境政策の一環として、クリーンエネルギーの発展を後押しし
ているほか、原子力発電設備を含む「ハイエンド設備」製造業の振興に力を入れてい
るためだ。市場調査会社のフロスト&サリバンによると、設備容量の平均成長率は、
火力で05~14年の9.9%から15~20年の5.4%へと減速すると見込まれている。半面、
原子力は12.5→14.7%に加速するとの予測だ。

全体に占める火力発電のウエートも縮小していく。火力発電設備の容量ベースのウ
エートは、14年の67.4%から19年の60.5%に低下する見込みだ。他の電源では、水力
が22.2→18.9%に低下する半面、風力が7.1→12.0%、太陽光が1.8→5.8%、原子力
が1.5→2.8%にそれぞれ拡大する見通し。

このほか、発電所や送電網の建設に向けた投資も増加するとみられている。発電所
と送電網を合わせた電力部門全体の設備投資は、第12次5カ年計画(11~15年)期間
中に年間平均7748億人民元(約14兆6580億円)。フロスト&サリバンの予測による
と、次期5カ年計画(16~20年)期間中は同1兆201億人民元(約19兆2985億円)まで
膨らむ。中でも政府が高圧送電網の整備に力を入れるなか、送電網関連の投資が高い
伸びを示すという。

なお、発電所の建設請負では、中国の国有グループ数社で市場を独占。うち火力、
水力に関しては、中国能源建設、中国電力建設の2社が合計で9割超のシェアを握る。
また、原発の二次系設備(タービンサイクル系統)では、これら2社に加え、中国核
工業建設集団の3社が寡占。ちなみに、原発の一次系設備(原子炉系統)の建設につ
いては、中国核工業建設集団が1社で独占している。

※中国能源建設(3996/HK)の上場目論見書から作成した。国有の中国能源建設集団を
親会社に持つ同社は、発電所の設計・建設、送電網の整備、発電設備の製造など、電
力エンジニアリング事業を主力とする。12~14年に設計または建設した発電所の規模
は、発電容量ベースで合計160ギガワットと世界首位。国内では、火力発電所の設計
でシェア81.1%と、圧倒的な存在感を誇る(14年、受注額ベース)。火力、水力発電
所の建設請負業務では、国内シェアがそれぞれ57.6%、22.8%という規模。

【亜州IR】

《ZN》

 提供:フィスコ

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