市場ニュース

戻る
2015年12月14日08時49分

【特集】船井総研HD Research Memo(4):10年プランが着々と進行中、中期はインフラビジネス化に成功


■成長戦略

○10年プラン
船井総研ホールディングス<9757>の成長戦略を考察するうえで、今一度長期プランを振り返ってみたい。現在の高嶋社長体制に移行した2010年に計画されたもので、2020年までの10年間を3つのフェーズ、前期(ホップ、2011年~2013年)、中期(ステップ、2014年~2016年)、後期(ジャンプ、2017年~2019年)に分けて計画されたものであり、当期は中期の2年目に当たる。今もこのプランがベースになり、会社の方向性を示す羅針盤の役割を果たしている。

○前期【ホップ、2011年~2013年、前中期経営計画期間】
この期間は、不採算の子会社による収益性の低下を一掃するため当該子会社を譲渡もしくは閉鎖し、基幹事業であるコンサルティング事業に集中した。コンサルティング事業の内部においても、収益性を安定的に高めるために、それまでの個人主義(スターコンサルタントに依存する体制)から組織主義(チームコンサルティング体制)に組織を変革した。この結果、売上高では86億円(2010年12月期)から100億円(2013年12月期)と成長性こそ高くはなかったものの、営業利益を17億円(2010年12月期)から26億円(2013年12月期)とし、収益基盤を固めることに成功した。

○中期【ステップ、2014年~2016年、現中期経営計画期間】
現中期経営計画はより成長を目指したものである。2016年12月期に、売上高150億円(2013年12月期比で1.5倍)、営業利益34億円(2013年12月期比で1.3倍)を目標としている。

メインテーマは、元々の同社の強みである業種別コンサルティングの強化である。対象顧客である中小企業を業種別・テーマ別の経営研究会により会員化し、顧客を増やし・リピートさせる。また、この経営研究会から儲かるソリューションを生み出し、提供商品を増やす。この研究会は、コンサルタントに早く場数を踏ませ戦力化することにも寄与する。客(会員化された顧客)、物(商品)、人(コンサルタント)、金(利益を生み出すマネジメント力)が好影響を及ぼし合い、各要素が年率約15%ずつ成長することによって、結果として3年で1.5倍の成長を達成するというのが現中期経営計画の骨子である。今年度は2年目に当たるが、既に売上高で中期経営計画達成率96.7%(2015年12月期予想/2016年12月期目標)、営業利益で中期経営計画達成率100%(2015年12月期予想/2016年12月期目標)と前倒しで達成する勢いだ。

ちなみに同社では、2015年9月時点で、154の経営研究会を主宰し、5,084名の会員が参加をしている。開催セミナーは年間863件(2014年度)、セミナー参加者は21,476人(2014年度実績)、Web会員は75,553人(2015年9月末)を数える。年間のコンサルティング契約社数は4,262社(2014年度)である。

○後期【ジャンプ、2017年~2019年】
10年間の仕上げのこの期間には、「中小企業向け総合経営コンサルティンググループ」としての「信頼のブランド」を持つ「グレートカンパニー」を目指す。既にその布石は打ち始めている。持ち株会社制への移行(2014年)と船井総研ロジ(株)を始めとする周辺事業の子会社化は、非コンサル領域を含めたグループ経営への土台となる。M&A・事業承継コンサルティング分野でのみらいコンサルティンググループとの提携(2015年3月)やM&Aコンサルティング事業部の設立(2015年7月)はBS(バランスシート)に対するコンサルティング事業への布石と考えられる。このほかにも、人財開発支援やWebマーケティング支援などの業種横断(横軸)の注力テーマでの業務推進力強化による、より実践的かつ高品質なコンサルティングサービスの追及という方針が出されている。

10年のスパンで見ると、前半は集中と選択が功を奏した。コンサル事業のストックビジネス化により、高い成長性と収益性を維持することに成功した。今後は強いコンサルティング事業をさらに強化し、布石を打ってきた周辺事業・周辺業務を加えて総合化していくという新たなフェーズに入る。具体的な戦略や組織とともに今後発表されると思われる数値目標にも注目したい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)

《SF》

 提供:フィスコ

【関連記事・情報】

日経平均