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【特集】日本調剤 Research Memo(1):ジェネリック医薬品使用促進と在宅医療への対応が最も進んだ企業


日本調剤<3341>は調剤薬局の国内トップクラス企業で、調剤薬局事業の売上高では第2位を誇る。自社グループでジェネリック医薬品の製造も行っており、メーカー機能を有しているところが特徴的だ。さらに、医療従事者を対象にした人材派遣・紹介事業と情報提供・コンサルティング事業も加え、4事業部門体制で展開している。

2016年3月期第2四半期決算は、9月に一度上方修正されたが、それをさらに上回って着地した。全事業セグメントが好調だったことが業績を大きく押し上げた。主力の調剤薬局事業は大型新薬の影響を除いた既存店ベースでも、前年同期比7%程度の増収となったもようだ。医薬品製造販売事業においては、減価償却費や研究開発費などの経費増を、売上増で吸収して増益となった。医療従事者派遣・紹介事業も、薬剤師の需給タイト化で費用増をこなして増収増益を達成した。

同社は、国が推進しているジェネリック医薬品の使用促進と在宅医療への対応強化の2つの施策に関して、調剤薬局業界の中で最も対応が進んだ企業だ。調剤薬局事業は、調剤報酬改定の影響で業績が変動する特徴を有している。弊社では、同社は政策対応が最も進んだ企業であるため、調剤報酬改定によるマイナス影響が相対的に小さくなると考えている。むしろ、同社が打ち出している出店戦略と処方箋単価上昇による成長シナリオにより、同社の調剤薬局事業はまだ成長余地が大きいとみている。医薬品製造販売など他の事業セグメントの成長ともあいまって、同社の収益成長トレンドは今後も継続すると期待される。

■Check Point
・全事業部門が前年同期比で2ケタの増収増益を達成
・2Q決算を受けて通期予想を上方修正
・国の政策は医療費抑制へと移っている

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《HN》

 提供:フィスコ

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