市場ニュース

戻る
2015年12月08日19時00分

【経済】<トップインタビュー> 弁護士ドットコム 元榮社長に聞く(1)

弁護士ドットコム 元榮太一郎社長兼CEO

―100年に一度の大変革期、国政にも挑戦―

 昨年12月に東証マザーズに新規上場した弁護士ドットコム <6027> [東証M]。同社は「専門家をもっと身近に」という理念の下、急速な成長を遂げている。その弁護士ドットコムの成長を促すものとは何か。弁護士として初めて株式上場した元榮太一郎(もとえ・たいちろう)社長兼CEOに、同社の成長の要因と今後の目指す方向を聞いた。


●自身の経験を原点に飛躍

――弁護士ドットコムの事業内容を教えてください。

 「主に3つのサービスがあります。ひとつは『弁護士ドットコム』という日本最大級の法律相談ポータルサイトの運営です。弁護士ドットコムは、弁護士検索や法律相談を無料で利用できるオンリーワンのサービスで、月間のサイト訪問者数は850万人超。日本の弁護士約3万6000人のうち4人に1人に当たる9000人超が登録をしています」

 「もうひとつは、昨年6月にサービスをリニューアルした姉妹版の『税理士ドットコム』。残りのひとつは10月にリリースした日本初のWeb完結型クラウド契約サービス『クラウドサイン』です。法律とIT<情報技術>を結ぶ“リーガルテック”は世界的な潮流であり、サービス開始から3週間で500を超える会社から導入していただきました」

――弁護士業界で起業した理由は?

 「大手法律事務所に在籍していた際に上場ネットベンチャー企業のM&Aに携わりました。ベンチャー企業がアグレッシブに成長を追及していく様子に大きな刺激を受けたのですが、たまたまある日、引越しサービスの比較サイトを見ていたところ、同じサービス業である弁護士業界でも活用できるサービスだということに気づきました」

 「それまで、起業はまったく意識していませんでした。しかし、ビジネスアイデアを想像していると、自分が弁護士を頼った際の経験がフラッシュバックしたのです。大学2年の時に買ったばかりの中古車自動車で物損事故を起こしたのですが、その時に弁護士に助けてもらったことが、この業界を志す原点となりました。しかし、実際に弁護士に出会うまでにはすごく時間がかかったのです」

 「あのときの自分のような人はいまもいる。弁護士をネットで比較検討できたり、無料で法律相談できたりする場所があったら素晴らしいはずだ。一人でも多くの法律で困っている人の力になりたいという思いで起業を決意しました」

●「前人未踏の道を行く」

――大手法律事務所を飛び出すことに、ためらいはなかったのですか。

 「弁護士が起業するというのは前代未聞でしたが、一度限りの人生。選択と集中をしなければならないという意識がありました。その基準として『日本一・日本初』あるいは『世界一・世界初』ということにこだわることで、自分の価値の最大化につながると考えたのです」

 「弁護士なのに起業したからこそ注目してもらえたという点はあると思います。前人未踏の道なき道を進む。そんな新たな道を作ることが好きだともいえます。実際、弁護士ドットコムが上場してから、若い優秀な弁護士が自分も上場を目指そうと起業にチャレンジするという動きも高まっています」

――時代の潮流の変化も追い風だったのでは。 

 「規制緩和で弁護士の兼業が容易になり、それまで弁護士会の許可が必要だった会社の役員になりやすくなったという点はあると思います。さらにインターネットが普及した意味も大きいでしょう。ネットにより弁護士と困っている人のつながりが劇的に変わりました。誰にも知られたくないから、こっそり相談したいという人は多いのです」

弁護士ドットコム 元榮社長に聞く(2)<トップインタビュー> に続く


<プロフィール>
元榮太一郎(もとえ・たいちろう)氏
 1975年12月米国イリノイ州生まれ。98年3月慶應義塾大学法学部法律学科卒業、99年10月司法試験合格、2001年10月アンダーソン・毛利・友常法律事務所入所、05年1月独立開業し、法律事務所オーセンス設立。05年7月「弁護士ドットコム」設立。代表取締役社長兼CEO就任。

弁護士ドットコム
 日本最大級の法律相談ポータルサイト。2005年7月設立。14年12月に弁護士としては初の東証マザーズに上場。「専門家をもっと身近に」を理念に、パソコン、スマートフォン、タブレットなどあらゆるデバイスから人々と専門家をつないでいる。弁護士ドットコムニュースも高い人気を誇る。「税理士ドットコム」なども展開。弁護士による登録料や一般ユーザーからの有料会員収入、広告収入などが主な収益源となっている。

株探ニュース

日経平均