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【特集】【中国の視点】ブラジル:財政支出を大規模凍結、景気後退が深刻


ブラジル政府はこのほど、公務員の給与、退職金、失業保険、ボルサ・ファミリア(家族支援金)など主要な歳出分配計画を除く、2015年の残り予算を凍結すると発表した。

政府関係者によると、今回の凍結金額は約112億レアル(約3584億円)に上るという。中でも司法・立法関連の政府機関の凍結額は17億レアルになると試算されている。

景気後退と歳入不足が大規模な財政支出の凍結の背景にあるとみられている。今年7-9月期の国内総生産(GDP)成長率は前期比で-1.7%となり、過去25年で最悪となった。前年同期比では-4.5%まで落ち込んだ。また、財政収支も予想以上に悪化。レビ財務相は今年1月に就任した際、年末までにGDPの1.1%に相当する財政黒字を実現すると公約したが、ほぼ達成できない見通しだ。今年10月の財政赤字はGDPの9.5%となり、前月の9.34%から上昇した。エコノミストらは、ブラジルの財政赤字が危険なレベルに達していると警告した。

さらに、ルセフ政権が腐敗などに関与した疑いが浮上しており、支持率が低下しているほか、財政再建に大きな前進がみられない中、政治混迷が続いている。そのため、同国の景気後退は来年まで続くと予測されている。

なお、ブラジル中央銀行がエコノミスト約100人を対象に実施した最新調査では、2015年の成長率が-3.19%まで後退し、2016年も-2%超の景気後退になるという結果が示された。
《ZN》

 提供:フィスコ

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