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【市況】後場に注目すべき3つのポイント~出遅れ感のある中小型株などに短期筋の資金が向かいやすい


 


1日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・出遅れ感のある中小型株などに短期筋の資金が向かいやすい
・ドル・円は122円76銭付近、GPIFの為替ヘッジ報道受けユーロ買い
・ファナック<6954>、京セラ<6971>、ホンダ<7267>が日経平均値上がり寄与上位

■出遅れ感のある中小型株などに短期筋の資金が向かいやすい

日経平均は反発。199.08円高の19946.55円(出来高概算11億株)で前場の取引を終えている。11月30日の米国市場は様子見ムードが強い中でNYダウ、ナスダックともに下落していた。ただし、シカゴ日経225先物清算値は大阪比40円高の19790円だったほか、円相場は1ドル123円台と円安に振れて推移していたことが材料視されるなか、反発して始まった。

その後もじりじりと上げ幅を広げており、前引け間際には一時19962.57円まで上げ幅を拡大させている。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、ソフトバンクグ<9984>が重石となるものの、ファナック<6954>、京セラ<6971>、ホンダ<7267>、東エレク<8035>がけん引。

規模別指数では大型、中型、小型株指数いずれも2ケタの上昇。東証1部の騰落銘柄は、値上がり数が6割を占めている。セクターでは電力ガス、鉄鋼、卸売、証券、機械、電気機器、医薬品、銀行、輸送用機器などが上昇率上位に。半面、水産農林が唯一マイナスだった。

日経平均は前日に割り込んだ5日線をあっさりクリアし、再び直近高値を窺う展開になっている。朝方発表された2015年7-9月期の法人企業統計で設備投資の大幅な伸びが確認された。また、中国の経済指標が予想を上回ったことなども、安心感につながったようだ。

円相場は朝方からやや円高に振れており、手掛けづらいところである。日経平均は再び2万円に近づいてきており、上値の重さを意識しだすと、利益確定の流れに向かわせやすい。指値状況がそれ程厚くないため、先物主導のインデックス売買で上下に振らされやすい点は注意する必要がありそうだ。出遅れ感のある中小型株などに短期筋の資金が向かいやすいと考えられる。

(株式部長 村瀬智一)


■ドル・円は122円76銭付近、GPIFの為替ヘッジ報道受けユーロ買い

ドル・円は122円76銭付近で推移。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が為替ヘッジを開始したとの報道を受け、昼にかけてユーロ買い・ドル売りが進み、ドル売り・円買いに波及した。

米紙によると、GPIFはユーロ相場の変動に対応するため、小額の為替ヘッジを始めた。これを受け、ユーロ買い・ドル売りが強まり、ドル・円は123円20銭付近から一時122円64銭まで値を下げた。

一方、午前に発表された中国の11月財新PMI製造業は48.6で市場予想をやや上回ったが、節目の50を下回り、製造業の景況感が急速に改善する状況ではないとの見方が強まっている。これを受け、上海総合指数は下落。中国株高を意識したドル買いは縮小しているようだ。

12時23分時点のドル・円は122円76銭、ユーロ・円は129円88銭、ポンド・円は185円22銭、豪ドル・円は89円19銭で推移している。

(為替・債券アナリスト 吉池威)


■後場のチェック銘柄

・ファナック<6954>、京セラ<6971>、ホンダ<7267>が日経平均値上がり寄与上位
・目標株価引き上げでデンカ<4061>、三井化学<4183>、住友化学<4005>が強い動き
・郵政グループはかんぽ生命保険<7181>、ゆうちょ銀行<7182>が続伸


☆後場の注目スケジュール☆

<国内>
・特になし

<海外>
・12:30 豪準備銀行が政策金利発表(2.00%で据え置き予想)
・15:45 スイス・7-9月期GDP(前年比予想:+0.8%、4-6月期:+1.2%)
・16:00 英中銀が金融安定報告書発表

《SY》

 提供:フィスコ

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