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【市況】国内株式市場見通し:7-9月GDP、日銀会合で補正予算上積みや追加緩和への思惑に


■日経平均は7連騰、郵政グループ3社は好調

先週の日経平均は上昇。6日の米国市場では、予想を上回る雇用統計の結果を受けて、年内利上げへの思惑高まり銀行株に買いが広がっていた。これが好感されるなか、週明け9日の日経平均は一時400円を超える大幅高から始まった。その後も、経済協力開発機構(OECD)による世界経済見通しの引き下げが嫌気される局面などもみられたが、押し目買い意欲の強さが窺える展開が続いた。

とりわけ市場のセンチメントを明るくさせたのが、日本郵政<6178>、かんぽ生命保険<7181>、ゆうちょ銀行<7182>の郵政グループ3社の好調であろう。また、メガバンクは週末に決算を控えていたが、決算を前に買い戻しと見られる流れに向かった。地銀の決算なども買い安心感につながっている。

さらに、米アップルの下落影響から売りが先行した村田製<6981>、TDK<6762>、日東電<6988>などが切り返すなど、売り込みづらい需給状況に。短期的な過熱感などから、日経平均は週末こそ8営業日ぶりに反落となったが、日中の動きを表すローソク足は、7営業日連続で終値が寄付き価格を上回る陽線を形成している。

■7-9月期GDPと日銀会合

決算発表がピークを通過した。今後は業績内容を改めて見直す動きのほか、18、19日に日銀が金融政策決定会合を開くことから、追加の緩和政策への期待などが手掛かり材料になりそうだ。市場コンセンサスでは現状維持とみており、追加緩和は12月と予想されている。過度なサプライズを期待する流れにはならないであろうが、16日に7-9月期の国内総生産(GDP、速報値)が発表されるため、内容次第では追加緩和への期待が高まる。

また、7-9月期のGDPについては、中国経済の減速や国内消費の低迷を背景に2四半期連続でマイナス成長になると予想されている。実際に2四半期連続でようだと、今年度補正予算による景気の下支えを求める声が強まっていることから、補正予算が上積みされるとの期待が高まる可能性がある。

■FOMC議事録公表で12月利上げ確実視か

米国では17日に10月の米消費者物価指数、10月の米鉱工業生産が発表される。18日にはFOMC(10月27、28日分)の議事録が公表される。米国が12月利上げへの見方を固めてくるようだと、日本については緩和政策への思惑に向かわせやすい。その他経済イベントでは、17日に11月の独ZEW景況感指数、10月の米鉱工業生産が発表される。18、19日にアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議がフィリピンで開かれるほか、18日から22日まで東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議・関連会合がマレーシアで開かれる。

■金融や小売セクターに注目、地政学リスクに警戒

物色としてはメガバンクなど金融セクターや10月の訪日外国人客数の発表から小売セクターなどの動向にも注目したい。一方で、フランスの首都パリ市内と郊外の少なくとも3ヶ所で13日夜、同時多発的に銃撃や爆発が発生した。欧州で頻発するテロに対する地政学リスクへの警戒感が高まる可能性がある。その他、国際エネルギー機関(IEA)はイラクやロシア、サウジアラビアの記録的な供給によって石油在庫が過去最大の30億バレルに達しており、更なる原油価格の下落を招く可能性があるとの認識を示している。資源価格の下落影響が資源関連への重石となる可能性もありそうだ。

《FA》

 提供:フィスコ

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