市場ニュース

戻る
 

【市況】後場に注目すべき3つのポイント~主要決算控え手掛けづらいなか、郵政グループ3社に資金集中


5日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・主要決算控え手掛けづらいなか、郵政グループ3社に資金集中
・ドル・円は121円49銭付近、前日米国市場からの買いは一服
・ヤマダ電<9831>が通期利益予想の上方修正と期末配当の増配を発表


■主要決算控え手掛けづらいなか、郵政グループ3社に資金集中

日経平均は続伸。195.51円高の19122.42円(出来高概算12億1000万株)で前場の取引を終えた。4日の米国市場はイエレンFRB議長が「12月の利上げの可能性は残っている」と発言したことが嫌気されて下落に転じていたが、これにより円相場は1ドル121円55銭辺りと円安に振れて推移。シカゴ日経225先物清算値は大阪比150円高の19050円だったこともあり、これにさや寄せする格好から始まった。

その後19145.36円まで上げ幅を拡大させる局面もみられたが、直近もち合いレンジでの上限で強弱感が対立。その後、ソフトバンクグ<9984>、ファナック<6954>などが弱含む中、一時19000円を割り込む局面も。しかし、5日線レベルが支持線として意識される中。前引けにかけては再び強含む展開となった。

セクターでは食料品、海運、金属、非鉄、倉庫、建設、銀行などが堅調。一方で石油石炭、輸送用機器が冴えない。売買代金上位では郵政グループ3社が上位に位置しているほか、トヨタ自<7203>、メガバンク3行、JT<2914>、村田製<6981>などがしっかり。

日経平均は19000円処での底堅さが意識されており、先高期待は強い。ただし、トヨタ自<7203>など主力処の決算を控えていることもあり、全体としては手掛けづらさが窺える。その中で、日本郵政<6178>、ゆうちょ銀行<7182>、かんぽ生命保険<7181>に資金が集中している。MSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)は、日本郵政とゆうちょ銀行の2銘柄を標準指数に採用すると報じられたことが刺激材料となった。

この郵政グループ3社に資金が集中する中、マザーズ指数はマイナス圏で推移するなど、中小型株からの資金シフトも起こっているようである。かんぽ生命保険などは、新興市場の中小型株並みの値動きをみせていることで、限られた投資資金が明確にシフトしている状況が窺える。まずは郵政グループ3社が落ち着きをみせ、利食い資金が次のターゲットを探る展開を見極める必要があろう。

(株式部長・アナリスト 村瀬智一)


■ドル・円は121円49銭付近、前日米国市場からの買いは一服

ドル・円は121円49銭付近で推移。前日米国市場からの買いは一服したもよう。

ドル・円は、米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長が12月利上げに前向きな姿勢を示したことから買いが強まり、一時121円72銭まで上昇した。東京市場では、ドル買いが一服し、やや値を下げる展開となった。

午前の取引で、ドル・円は日経平均株価が堅調だったものの反応は薄かった。ランチタイムの日経平均先物が一段高となっているが、ドル・円は高値圏に上昇していることから、引き続き株価への反応は限定的となる可能性がある。

ここまで、ユーロ・ドルは1.0857ドルから1.0873ドル、ユーロ・円は131円90銭から132円13銭のレンジ内で推移した。

12時25分時点のドル・円は121円49銭、ユーロ・円は132円04銭、ポンド・円は186円90銭、豪ドル・円は86円82銭で推移している。

(為替・債券アナリスト 吉池威)


■後場のチェック銘柄

・JT<2914>、KDDI<9433>、アサヒ<2502>が日経平均値上がり上位
・ソフトバンクG<9984>は前日決算のインパクト乏しく反落
・ヤマダ電<9831>が通期利益予想の上方修正と期末配当の増配を発表


☆後場の注目スケジュール☆

<国内>
・12:45 10年国債入札の結果発表

<海外>
・16:00 独・9月製造業受注(前月比予想:+1.0%、8月:-1.8%)

《SY》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均