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【特集】クリレスHD Research Memo(2):RCJ社の子会社化やインバウンド専門部署を設置


■事業概要

(1)事業内容

クリエイト・レストランツ・ホールディングス<3387>は、ショピングセンター内のレストラン及びフードコートの運営を主力とするとともに、M&Aにより獲得した居酒屋業態や飲食店業態も展開している。持ち株会社として、連結子会社13社(その内、海外4社)と非連結子会社1社、関連会社3社(上海及び大連)を束ねている(2015年8月末現在)。

集客力の高い立地へのこだわりとそれぞれの立地環境(地域特性や顧客属性、競合状況等)に見合った業態の組み合わせによるマルチブランド・マルチロケーション戦略に特徴があり、それが同社の主力事業を支えてきた。また、最近では、成長性のある様々な業態を積極的なM&Aにより同社成長に取り込む「グループ連邦経営」※を推進することで高い成長率を実現している。店舗数は約190業態で761店舗となっている(2015年8月末現在)。
※同社が推進しているグループ経営のことで、ホールディングスの「求心力」と各グループ事業会社の「遠心力」のバランスを取りながら成長を促進するものである。

同社の事業カテゴリーは、1)ショッピングセンター内のレストラン及びフードコートを運営する「CRカテゴリー」、2)居酒屋業態を運営する「SFPカテゴリー」、3)様々な飲食店業態を運営する「専門ブランドカテゴリー」、4)シンガポールや香港及び中国等で日本食レストランを運営する「海外カテゴリー」、4つに分類される。

主力のCRカテゴリーが売上高の45.2%を占める一方、SFPカテゴリーが32.3%、専門ブランドカテゴリーが19.3%、海外カテゴリーが3.1%を構成している(2016年2月期上期実績)。

また、立地別店舗数の構成比は、郊外SCが29.7%、都市SCが19.3%、駅前・繁華街が24.8%、ロードサイドが13.1%、百貨店が3.4%、駅ビル7.0%、海外2.8%となっており、従来の商業施設中心から適度に分散が図られてきている(2015年8月末現在)。

(2)アールシー・ジャパンの株式取得(連結子会社化)

同社は、前述した「グループ連邦経営」による成長戦略の一環として、2015年6月30日付でKRと資本提携(株式取得)したことに続いて、2015年8月31日にはRCJの全株式を(株)オリエンタルランドより取得して連結子会社化した。

RCJは、東京ディズニーリゾート内にある商業施設イクスピアリにて人気のレストラン「レインフォレストカフェ」※を始めとし、4店舗の飲食店舗を運営している。
※アメリカ発祥の熱帯雨林(ジャングル)をテーマとした、動物達や巨大円柱水槽等の内装が特徴的なエンターテイメント型レストランであり、現在、世界各国に約40店舗を展開している。

本件の目的は、著名な海外ブランド獲得によるブランドラインナップの強化と同社グループの観光立地における事業の強化にあると考えられる。一方、RCJについても、同社のグループ連邦経営に基づくノウハウの共有により、更なる店舗展開と成長が可能であるとの判断が働いたようだ。

RCJの直近期(2015年3月期)の業績は、売上高1,212百万円、営業利益3百万円、経常損失7百万円、純損失14百万円であり、取得原価は65百万円(アドバイザリー費用を含む)となっている。

(3)インバウンド専門部署を設置

同社は、観光立地(お台場、神戸など)における店舗で、インバウンド(訪日外国人)の利用を取り込むべく、専門部署を設置し、ツアー会社(約125社)等に積極的に営業活動を実施している。外国人団体客とビュッフェスタイルの相性の良さ(注文を取る時間や言葉の問題が発生しない等)もあって順調に成果が上がっており、お台場3店舗平均のインバウンド売上高比率は25.6%、同じく神戸2店舗平均では17.4%を占めるまでになっている。また、2016年2月期上期の全店舗におけるインバウンド売上高は前年同期比32.3%増の271百万円と伸長しており、堅調な既存店売上高を支えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《HN》

 提供:フィスコ

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