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【特集】アウトソーシング Research Memo(6):景気変動の影響を受けない事業構造への変革を進め自律的な成長を実現


■決算動向

(1)業績推移

2007年12月期からの業績を振り返ると、景気変動の影響を受けながらも、製造工程の外注化ニーズに対応する形で人材提供数(外勤社員数)の拡大を図ってきたことが同社の成長をけん引してきた。営業利益が2009年及び2011年に落ち込んでいるのは、リーマンショック及び東日本大震災のほか、円高の進行による景気後退(国内生産の減少)の影響を受けたものである。一方、2012年12月期以降、同社の業績が大きく伸びているのは、国内メーカーによる海外生産移管や国内産業構造の変化(鉱工業からIT産業や土木建築産業へのシフト)への積極的な対応を図ることにより、海外事業や技術系アウトソーシング事業が順調に伸長してきたことが寄与している。足元では全般的な人手不足感や労働派遣法改正による規制緩和を見越した動きにより人材派遣市場全体が活況を呈している中で、アウトソーシング<2427>は景気変動の影響を受けない事業構造への変革を進めることにより自律的な成長を実現してきたと言える。

財務面では、M&Aなどによる積極的な投資により有利子負債は拡大傾向にあり、自己資本比率は30%前後で推移しているが、流動比率は131.6%を確保しており短期的な支払能力には懸念がない。一方、資本効率を示すROEは20%を超える高い水準となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《HN》

 提供:フィスコ

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