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【特集】フォトクリエイト Research Memo(4):売上高が計画を下回ったことで、営業利益の減益幅も拡大


■業績動向

(1) 2015年6月期業績の概要

8月11日付で発表されたフォトクリエイト<6075>の2015年6月期の業績は、売上高が前期比1.5%増の3,178百万円、営業利益が同44.5%減の103百万円、経常利益が同40.1%減の105百万円、当期純利益が同38.1%減の66百万円となり、売上高、利益ともに会社計画を下回る格好で着地した。なお、当第4四半期よりフォトクラウド事業の教育領域において、売上表示方法を総額表示から純額表示に変更したことで、売上高が約82百万円の目減りとなっている。同一基準の場合の売上高は、前期比4.1%増の3,260百万円であった(営業利益は影響なし)。以下、前期比との増減比較では、従来基準ベースで説明する。

売上高は期初計画比で2.1%下回ったが、これはスポーツ領域において大阪マラソン大会など一部大型イベントの販売が低迷したことが主因となっている。また、新規事業として見込んでいた訪日中国人向けの写真撮影サービスについて、需要は旺盛ながらも想定していたビジネスモデルでは当面の収益化が見込めないと判断し、早期に事業化を断念したことなども影響した。

売上原価率が58.3%と前期比2.0ポイント上昇したが、主に撮影協賛金が前期比22.4%増の836百万円と大きく増加したことが主因となっている(撮影協賛金の売上比率は21.8%から25.7%に上昇)。新規及び前期にイベントのなかった大型イベントの協賛金が発生したこと、フォトクラウド事業の拡大などが増加要因となった。

また、販管費率も38.5%と前期比0.8ポイント上昇した。期初計画比では6.4%減少しているが、これは当初予定していた人員の増員が期の後半に集中し、人件費の増加が前期比28百万円増の709百万円と計画を下回ったため。なお、期末の従業員数は前期末比16名増の109名となっている。

元々、当期は新たな写真スタイルを提案する新サービスの開始や、専用サイトの利便性向上、ラボネットワークとの提携に伴うシステム連携に向けた投資など、今後の成長に向けた基盤構築のための先行投資期間として位置付け、増収減益を計画していたが、売上高が計画を下回ったことで、営業利益の減益幅もさらに拡大することとなった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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