市場ニュース

戻る
 

【市況】ユーロ週間見通し:もみあいか、日本とユーロ圏の金融政策動向を見極める展開


■堅調推移、米年内利上げは困難との理由で買いが強まる

先週のユーロ・ドルは堅調推移。欧州中央銀行(ECB)による量的緩和策強化の思惑が広がったが、米年内利上げに対する懐疑的な見方が広がり、米ドル買い・ユーロ売りは縮小した。ユーロ圏経済の成長鈍化に対する過度の警戒感は後退しており、ユーロを買い戻す動きもみられた。取引レンジは1.1172ドル-1.1387ドル。

■もみあいか、金利先安観台頭で上げ渋る可能性

今週のユーロ・ドルはもみあいか。欧州中央銀行(ECB)が、12月の流動性低下を回避するため、量的緩和を前倒しで実施するとの方針が明らかになり、ユーロは売られやすい見通し。また、ユーロ圏内の経済情勢がすみやかに好転する状況ではないこともユーロ上昇を抑える。ただ、日銀が10月中に追加金融緩和に踏み切るとの観測が強まっていることから、ユーロ売りが大きく広がる可能性は低いとみられており、もみあいとなる見通し。

・予想レンジ:1.1200ドル-1.1450ドル

■上昇、アジア、欧米の株高が好感される

先週のユーロは対円で上昇。ユーロ圏の金利先安観が広がっているが、日銀による早期追加緩和への思惑は残されており、アジア、欧米の株高を好感したユーロ買い・円売りのフローがやや多くなった。対米ドルでユーロ買いが進んだことも対円レートの上昇を促す要因となった。取引レンジは134円40銭-136円96銭。

■もみあいか、日本とユーロ圏の金融政策動向を見極める展開

今週のユーロ・円はもみあいか。欧州中央銀行(ECB)による量的緩和策強化の思惑はくすぶっているが、日本銀行が10月末に追加緩和を決めるとの見方は後退していない。欧米諸国の株高継続を期待したユーロ買い・円売りが増える可能性があることから、ユーロの対円レートは136円前後でもみあう展開が予想される。

○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント
・14日:8月鉱工業生産(前月比予想:-0.7%、7月:+0.6%)
・16日:8月貿易収支(7月:+314億ユーロ)

・予想レンジ:134円00銭-138円00銭

《FA》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均