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【市況】<株式トピックス>=ファーストリテ急落でも日経平均は297円高

 きょうの話題はなんといってもファーストリティリング<9983>の大幅安だ。同社が8日の取引終了後に発表した16年8月期の連結業績予想は、売上高1兆9000億円(前期比13.0%増)、営業利益2000億円(同21.6%増)、純利益1150億円(同4.5%増)と前期に続き営業最高益更新を見込んでいるものの、市場予想の2300億円前後を下回ることが嫌気された。
 さらに、市場ではゴールドマン・サックス証券が8日のリポートで、前期実績と今期予想はともに「想定以下」との見解を出すなど失望感が広がった。同証券では、投資評価の「中立」を継続したものの目標株価は4万9000円から4万1000円に引き下げた。
 同社の終値は、前日比4740円安の4万3900円と急落し、ファーストリテ1銘柄で日経平均株価185円を引き下げる結果となった。
 しかし、それにもかかわらず、日経平均株価は後場騰勢を強めて前日比297円高の1万8438円高値引けとなった。
 この現象について市場関係者からは「日経225種採用銘柄のなかで目立って下落したのはファーストリテだけだった。それとは逆に、寄与率の高いファナック<6954>、京セラ<6971>、ソフトバンクグループ<9984>、日東電工<6988>、ホンダ<7267>など輸出関連の主力銘柄が軒並み堅調な値運びをみせた。これまで買われてきた個人消費関連が売られて、売られてきた輸出関連が買われるという現象が、日経平均株価の動きに極端に出たようだ」との見方が出ていた。(冨田康夫)


出所:株経通信(株式会社みんかぶ)

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