【市況】【杉村富生の短期相場観測】
「日本郵政グループは買いじゃないか!」
●利回り株としてクローズアップ
足元の相場は荒れもようである。相変わらず、先物に振り回されている。そんな状況下、11月4日、日本郵政グループが東証1部に上場する。約1.5兆円の資金を吸収するが、これは2014年のIPO総額(約1兆円弱)を上回る。
市場筋は「現在のマーケット環境下ではきつい」と。実際、準大手証券クラスは「販売に苦労しているらしい」という。
しかし、筆者はそんなに問題にしていない。6月のトヨタ自動車の「種類株」(5000億円、5年間は売却不可、年平均利回り1.5%、実質元本保証)は発行額の3倍の申し込みがあった、といわれている。
多くの投資家が社債的な感覚で買ったようだ。野村証券によると、「株式投資をやったことがない人からの問い合わせが多かった」。筆者の周辺にも1億円単位で買った人がいた。確かに、この利回りは魅力である。
日本郵政グループは従来の電力株に代わる利回り株としてクローズアップされるのではないか。
●会社側は配当性向2倍を目指す!
ちなみに、2016年3月期の配当は日本郵政が23円(配当性向は27.1%)、ゆうちょ銀行が25円(同29.4%)、かんぽ生命が56円(同40%)と計画している。
これだと、配当利回りは日本郵政が1.70%、ゆうちょ銀行が1.79%、かんぽ生命が2.60%にすぎない。まあ、東証1部の平均利回りよりも高いが…。
ただ、会社側は「配当性向を2倍に引き上げる」と語っている。配当性向は50%がメドになる。
仮に、売り出し価格(日本郵政1350円、ゆうちょ銀行1400円、かんぽ生命2150円)が現在の想定水準で決まったとすると、2017年3月期の配当利回りは日本郵政が3.2%、ゆうちょ銀行が3.1%、かんぽ生命が3.3%になる。これは投資する価値があろう。
2015年9月25日 記
株探ニュース