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【市況】後場に注目すべき3つのポイント~大幅下落ながらも冷静に映る、ボトムを探る流れ


10日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・大幅下落ながらも冷静に映る、ボトムを探る流れ
・ドル・円は120円33銭付近、日経平均の反落で一時120円割れ
・郵政関連に位置づけられる中小型株などに短期資金の関心向かうか


■大幅下落ながらも冷静に映る、ボトムを探る流れ

日経平均は大幅に下落。535.84円安の18234.67円(出来高概算11億6000万株)で前場の取引を終えた。9日の米国市場が大幅に下げたほか、シカゴ日経225先物清算値は大阪比365円安の18215円だった。これにさや寄せする格好から幅広い銘柄に売りが先行。18500円を下回って始まった日経平均は、その後も下げ幅を広げており、一時17956.15円と18000円を割り込む局面もみられた。

ただし、節目の18000円や5日線などが心理的な支持線として意識される中、その後はじりじりと下げ幅を縮めている。セクターでは海運のみがかろうじてプラスに転じたほかは、32業種が下落。鉱業が5%超の下げとなったほか、石油石炭、保険、食料品、情報通信、銀行、医薬品、輸送用機器、小売などの弱さが目立った。東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が全体の8割を占めている。

昨日の上昇がショートカバーのほか、ヘッジ対応に絡んだインデックス売買が中心であったため、大幅下落ながらも冷静に映る。このところの乱高下によって投資家の慎重姿勢は強く、昨日の1300円を超える上昇に対しても自律反発とみていたようである。まずは、ボトムを探る流れとなろうが、昨日の反対の動きにより、ヘッジ対応の売りも警戒されるところである。

材料株での短期的な割り切りスタンスでの値幅取りのほか、売られ過ぎている好業績銘柄等への中長期スタンスでの押し目拾いといった冷静な対応が求められよう。明日の先物・オプションSQ通過後も、米FOMC通過までは方向感が掴みづらそうだが、基本は米利上げによるアク抜けを想定しておきたい。

(株式部長・アナリスト 村瀬智一)


■ドル・円は120円33銭付近、日経平均の反落で一時120円割れ

ドル・円は120円33銭付近で推移。日経平均株価の下落で一時120円を割り込んだ。

ドル・円は、前日の米株安を受け、朝方120円51銭をつけた。その後、日経平均の下げに連動し、短期筋のドル売りが強まった。日経平均が18000円を割り込むと、ドル・円は120円を下回り、一時119円98銭まで下落した。

その後は日経平均の下げ幅縮小と上海総合指数の下げ渋りを受け、リスク回避的なドル売りは一服。足元では120円30銭台まで値を戻した。日経平均先物がさらに下げ幅を縮小していることから、ドル・円は120円半ばまで戻す展開が予想される。

12時20分時点のドル・円は120円33銭、ユーロ・円は134円98銭、ポンド・円は184円78銭、豪ドル・円は84円22銭で推移している。

(為替・債券アナリスト 吉池威)


■後場のチェック銘柄

・前場はFリテ<9983>、KDDI<9433>で日経平均を約154円押し下げ
・海運業のみプラスを確保、郵船<9101>、川崎船<9107>などプラス
・郵政関連に位置づけられる中小型株などに短期資金の関心向かうか


☆後場の注目スケジュール☆

<国内>
・特になし

<海外>
・特になし

《SY》

 提供:フィスコ

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