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【特集】【中国の視点】ブラジル:スタグフレーションから抜け出せず、格下げリスクが高まる


ブラジル中央銀行がエコノミスト約100人を対象に実施した最新調査では、2015年のブラジルの成長率がマイナス2.44%まで落ち込むという結果が示された。同年のインフレ率は9.29%まで加速すると予想されている。予想通りなら、1990年以来で最大の景気後退になる。

中国の専門家は、ブラジル政府による一連の景気対策や利上げの実施にも関わらず、同国経済がスタグレーション(経済活動の停滞と物価の持続的な上昇が並存する状態)から脱却できない背景について、資源輸出に依存するという成長モデルの転換など構造改革を着実に実施しなかったことが主因だと分析した。また、慢性的な経済赤字を抱えていることも、外資の流出圧力を高めており、これが通貨レアル安の進行を加速させている。

商品価格の下落に伴い、これまでブラジル経済を牽引してきた資源輸出が失速し、経済成長の足かせとなった。レアル安は輸入インフレを加速させていると分析された。

格付け会社フィッチ・レーティングスは最新リポートで、ブラジルの格下げのリスクが高まっていると警告した。景気後退に加え、財政赤字の高止まりが背景にあると指摘した。
《ZN》

 提供:フィスコ

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