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【市況】内需の強烈な利益確定で調整も最終段階に【クロージング】


8日の日経平均は大幅に下落。433.39円安の17427.08円(出来高概算22億3000万株)で取引を終えている。7日の米国市場はレイバーデーの祝日で休場。欧州市場については、ドイツ鉱工業生産の増加などが安心感となり、全般堅調だった。この欧州の上昇の流れを受けて、買い優勢の展開から始まった。また、寄り付き前に発表された4-6月期の実質GDP改定値が年率1.2%減(速報値1.6%減)に上方修正されたことも材料視された。

しかし、18000円には届かず、寄り付き直後につけた17962.56円を高値に、その後はじりじりと上げ幅を縮め、中国・上海指数が下落して始まると、下げ幅を拡大させている。さらに中国の8月貿易統計が発表され、輸出額と輸入額の減少率がともに市場予想を上回ったことが嫌気され下げ幅を拡大。一時17415.61円まで下げ幅を拡大させており、前日につけた直近安値を下回った。

セクターでは鉄鋼、パルプ紙、非鉄金属、石油石炭など資源・素材セクターの一角がしっかりだった。一方で、医薬品が5%を超える下げとなったほか、食料品、小売、保険、その他製品、陸運、精密機器、建設、電力ガス、サービスなどがきつい下げに。東証1部の騰落銘柄は前引けでは高安が拮抗していたが、大引けでは値下がり数が8割を超えている。

中国経済に対する不安感は根強いほか、週末に先物・オプションSQといった需給イベントを控えていることも手掛けづらくさせている。セクターをみてもリバーサルの流れが強まっており、ファンド解約といった見方などもされていた。ただし、これまで強い動きをみせていた内需・ディフェンシブ系への利益確定が強烈だったが、これにより、調整も最終段階に入ってきているように映る。楽観視はできないものの、これまで大きく売り込まれていた資源・素材株のほか、電子部品株なども大きく売り込まれており、リバウンド局面に備えた物色対象を探りたいところである。

《AK》

 提供:フィスコ

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