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【市況】後場に注目すべき3つのポイント~1割の銘柄に短期筋の資金が集中、中国製造業PMIは不透明感払拭にならず


9月1日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・1割の銘柄に短期筋の資金が集中、中国製造業PMIは不透明感払拭にならず
・ドル・円は120円81銭付近、日本株・上海株の下落受け弱含み
・決算発表延期の東芝<6502>はやや下げ幅縮める


■1割の銘柄に短期筋の資金が集中、中国製造業PMIは不透明感払拭にならず

日経平均は大幅に下落。450.20円安の18440.28円(出来高概算12億5000万株)で前場の取引を終えた。中国の景気減速懸念を背景とした海外株安の流れを受けて、売り優勢の展開で始まった。大阪225先物は18750円とシカゴ先物清算値(18800円)を下回ってのスタート。その後は中国の製造業PMIなどの経済指標の発表待ちとなるなか、こう着感の強い展開が続いていた。

製造業PMIについては予想と一致だったこともあり、下落幅を縮める局面もみられた。しかし、上海指数が1%超の下落で始まったことが嫌気され、売り直される展開に。グローベックスのNYダウ先物が260ドル安程度で推移していることも嫌気されるなか、下げ幅を拡大させている。

製造業PMI(政府版)は予想と一致、財新製造業PMIは予想を上回っている。とはいえ、判断の分かれ目である50を下回っている状況であり、不透明感の払拭にはならなかったようだ。とはいえ、中国は抗日戦勝利記念日に向けて下支え的な動きをみせてくると考えていたこともあり、ハシゴを外された格好でもある。

日経平均は5日線で踏ん張れず、8月27日に空けたマド(18442-18486円レベル)を埋めている。ボリンジャーバンドではバンドの拡大に沿った下げであり、ボトムを確認しづらいところである。ただし、週間形状では17800-18500円レベルで長い下ひげを残していることもあり、そろそろ踏ん張りをみせたいところである。東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が9割を超えており、全面安商状である。一方で、材料株などにはストップ高をつけている銘柄も散見される。1割の銘柄に短期筋の資金が集中する展開に。

(株式部長・アナリスト 村瀬智一)


■ドル・円は120円81銭付近、日本株・上海株の下落受け弱含み

ドル・円は120円81銭付近で推移。日経平均株価の軟調地合いや上海総合指数の大幅続落でリスク回避的な円買いのフローが入った。その後も株安を意識した円買い・米ドル売りが続いた。

ただ、上海株は3053ポイントまで下落した後に反発し、寄り値近くまで戻したほか、日経平均は前日比-450円安で前場は引けたものの、日経平均先物は-330円安と下げ幅を縮小しており、ドル・円は120円60銭付近から120円80銭付近に値を戻した。

12時32分時点のドル・円は120円81銭、ユーロ・円は136円14銭、ポンド・円は186円06銭、豪ドル・円は86円20銭で推移している。

(為替・債券アナリスト 吉池威)


■後場のチェック銘柄

・Fリテ<9983>、ソフトバンクG<9984>、TDK<6762>で日経平均を約70円押し下げ
・前場の値上がりはジェイテクト<6473>、明電舎<6508>、パイオニア<6773>など7銘柄
・決算発表延期の東芝<6502>はやや下げ幅縮める


☆後場の注目スケジュール☆

<国内>
・特になし

<海外>
・12:45  10年国債入札の結果発表
・13:30  豪準備銀行(中央銀行)が政策金利発表(2.00%で現状維持の予想)

《SY》

 提供:フィスコ

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