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【市況】【杉村富生の短期相場観測】


「中国は危機を必ず封じ込める?」

●企業価値を無視した下げ相場に

 内外の株式市場が軒並み安、大荒れである。いや~、ひどい。ひどすぎる。ここ数日はまさに、恐慌的な投げ売り商状となった。日経平均株価は8月21日が597円安、24日が895円安、25日が773円安だった。実に、3日間で2265円安である。この惨状はブラックマンデー、リーマン・ショックに匹敵する。

 実際、8月24日の東証1部の値上がり銘柄数はわずか8銘柄にすぎず、ブラックマンデー(1987年10月20日)時の7銘柄に次ぐ珍しい記録だった。特に、先物売りが下げ幅を大きくしている。いわゆる、企業価値を無視した売られ様である。メチャクチャじゃないか。

 先物の売り手はABNアムロ証券である。25日は日経平均先物(9月限)を11万7302枚売った。ハイ・フリークウェンシー・トレーディング&アルゴリズム取引を駆使し、機械的に売りを浴びせる。売って、下がったところを買い戻し、再度売る。ニューエッジ証券も同様の投資行動である。彼らが儲かっているか、否かは不明だが、株価は確実に下がる。

 そして、現物売りを誘発する。迷惑な話である。信用取引(買い)の評価損率は19%に達し、ほとんどの投資家が追い証発生、投げを余儀なくされている。

●財政出動の余地を残す中国

 マーケットは中国の金融機関の過剰融資(約1000兆円)、シャドウバンクの存在などを問題にし、300兆~400兆円の不良債権が顕在化する、と脅えている。いわゆる、バブル崩壊である。

 しかし、この最悪シナリオは考えにくい。中国政府は危機を封じ込めるだろう。それに、中国政府には財政出動の余地がある。ちなみに、中国政府の一般債務残高の対名目GDP比率は41%(日本は246%、アメリカは105%)にすぎない。大手証券の試算によると、財政出動の可能金額は何と、32兆元(640兆円)になるという。

 この局面では配当利回りが3.4~3.5%の双日 <2768> 、みずほFG <8411> を腹をくくって買い下がる作戦はどうか。9月末には中間配当(双日が4円、みずほFGが3.75円)がある。

2015年8月26日 記

株探ニュース

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