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【市況】米国株式市場見通し:フィッシャーFRB副議長の発言に注目


中国株式相場の続落を背景に世界的な経済減速への警戒感が高まっている。原油及び商品価格の下落などから足元の米期待インフレ率(米5年物インフレ連動債より算出)は金融危機後間もない2009年8月以来の低水準となっており、中国の経済指標の悪化や株式相場の下落が続けば、9月の利上げが見送られるだけではなく、年内の利上げも難しくなるだろう。27日から29日にかけて、ジャクソンホールで金融・経済シンポジウムが開催される。イエレンFRB議長は出席しないが、29日にフィッシャー副議長がインフレ動向について講演を行う予定だ。同氏の発言から利上げのタイミングの示唆が得られるか注目したい。

経済指標では7月新築住宅販売(25日)、8月消費者信頼感指数(25日)、7月耐久財受注(26日)、4-6月期GDP改定値(27日)、7月中古住宅販売仮契約(27日)、7月個人所得・支出(28日)などの発表が予定されている。4-6月期GDP改定値の市場予想は前期比3.2%増(年率)と、速報値の2.3%増から上方修正される見通しとなっている。また最近発表された住宅関連指標が軒並み堅調であったことから、来週も住宅関連指標には期待が高まっている。

個別企業では、アパレルのアバクロンビー&フィッチ(26日)、宝飾品小売のティファニー(27日)、ディスカウントストアのダラー・ゼネラル(27日)などの決算発表が予定されている。ダラーゼネラルの決算では、同業のファミリー・ダラー・ストアーズとダラー・ツリーが7月に合併を完了しており、競争環境の変化による影響が焦点となるだろう。

小売業界では、来月からの新学期を前に各社が「バック・トゥ・スクール」のセールを展開している。全米小売業協会(NRF) による消費者への聞き取り調査によると今年、一家計当たりが同セールにかける予算は630.36ドルと、昨年の669.28ドルから減少している。実際、NRFは冬の悪天候や西海岸の港湾労働者によるストライキやドル高の影響もあり、上半期の売上が軒並み低調となったことから、7月に15年の小売売上高の伸び率見通しを引き下げた。ただ米国の雇用情勢は着実に改善しており、今後ガソリンの価格の下落が実質所得に与える影響を勘案すると、年末商戦にかけては期待が高まり、小売セクターの株価評価見直しに繋がる可能性を念頭に入れておきたい。

(Horiko Capital Management LLC)

《FA》

 提供:フィスコ

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