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【市況】為替週間見通し:もみあいか、4-6月期米GDP改定値などを見極める展開


■ドル下落、世界同時株安で米9月利上げ観測後退

先週のドル・円は下落。中国本土株(上海総合指数)の大幅下落や欧米諸国の株安を嫌気して、リスク回避の円買い・米ドル売りが活発となった。また、米9月利上げ観測が後退したことも米ドル売り・円買いを促す要因となった。21日の米国市場ではNYダウ平均が500ドルを超える下落となり、米長期金利は急低下したことを意識してドルは一時122円を下回り、122円台前半でこの週の取引を終えた。取引レンジは121円82銭-124円57銭

■ドル・円はもみあいか、4-6月期米GDP改定値などを見極める展開

今週のドル・円はもみあいか。中国、欧米の株安を嫌気して、米9月利上げ観測は後退した。今週発表される米経済指標では、8月消費者信頼感指数(25日)と4-6月期国内総生産(GDP)改定値(27日)が材料視されそうだ。19日に公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録は、9月利上げを明示する内容ではなかったが、今週発表の経済指標が9月利上げを裏付ける強い内容であれば、ドル・円は124円近辺まで反発する可能性がある。

なお、市場関係者の多くは依然として中国人民元相場の動向を注目している。人民元相場が安定的に推移すれば、中国株式相場の反転が期待できることで米9月利上げへの支援材料となりそうだが、ドル高・人民元安が進行した場合、9月利上げ観測はさらに後退し、リスク選好的なドル買いは抑制される可能性がある。

予想レンジ:121円00銭-124円00銭

【ジャクソンホールシンポジウム】(27日-29日)
米カンザスシティー連銀が主催する経済シンポジウムが、ワイオミング州のジャクソンホールで27日-29日の日程で今年も開催される。今年のテーマは「Inflation Dynamics and Monetary Policy(インフレ力学と金融政策)」。イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長は欠席するが、フィッシャーFRB副議長は29日にパネルディスカッションに参加し、米国のインフレ動向について議論する予定となっている。利上げについて前向きな発言を聞くことができれば、ドル買い材料となりそうだ。

【米国経済指標】(25日:8月消費者信頼感指数、27日:4-6月期国内総生産改定値)
9月利上げ期待は後退したが、米経済指標の内容次第では、利上げを強く後押しする可能性がある。

・8月消費者信頼感指数:市場予想は93.0で7月実績との比較で改善する見込み。予想通りならば、ドル買い材料とみなされる可能性がある。

・4-6月期国内総生産(GDP)改定値:市場予想は前期比年率+3.2%で速報値+2.3%から上方修正される見込み。3%台の経済成長ならば、7-9月期も一定水準の経済成長が期待できるとみられており、9月利上げに対する支援材料となる。

《FA》

 提供:フィスコ

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