【市況】【北浜流一郎のズバリ株先見!】
「売られすぎ銘柄を狙う!」
●上海市場は引き続き要警戒
ギリシャ、上海から襲来する暴風がまだ治まらない。お蔭で東京市場は苦悶の日々だ。
一体いつになったらおさまるのか? 残念ながら明確な答えはないが、ギリシャについてはすでに峠は越えたと見てよい。財政緊縮策の受け入れを強硬に拒んでいたチプラス政権も、付加価値税の引き上げや早期退職者たちの年金引き下げで譲歩する姿勢を示しはじめているからだ。
それにEU連合にしても、このままでは前途にまったく希望がないどころか、ギリシャだけでなくEU連合自体もさらなる苦境に陥るのが見えている。解決策はギリシャがわずかな譲歩をすれば済むこと。これによってEU諸国は面子が立つため、ギリシャ支援は継続となる可能性が高い。
問題は上海総合だが、こちらはまだとても安心できない。指標が高値から30%も下げてしまうと復元力は著しく低下、一時的な戻りはあってもまた下げてしまう傾向があるからだ。この点、引き続き要警戒だ。
●押し目待ちの投資家には好機
ただ、ここで忘れてならないのは、東京市場が最も重視しているのはギリシャの債務問題や上海市場のバブル崩壊懸念よりも、為替動向になる。為替市場で円は6月5日以降、対ドルで強含みとなっているが、5月半ばの水準まで上がってきたことで、目先は120円が壁となり、今後は軟化の可能性を見込んでいる。
それが意味するのは、このところ売り込まれた主力株が再び見直される。こういうことであり、この点では押し目待ちに押し目なし状態が解消されたのは好ましい。やはり押し目はあった。こういうことになるため、これまで買い遅れてしまっていた投資家には、またとない好機が訪れているといえる状況だ。
このような局面での投資は、当然主力株の中で売られすぎといえる銘柄からの狙いが好ましく、対象としては野村 <8604> 、カシオ <6952> 、Jフロント <3086> などが魅力的だ。
もっと小型な銘柄にも目を向けると日本M&A <2127> 、ベネ・ワン <2412> [東証2]、アクリティブ <8423> 、フィンテック <8789> [東証M]などがある。
ここはたとえ上海市場が崩壊したとしても、一緒に心中することなく、生き残れる日本株があることを強調しておきたい。
2015年7月10日 記
株探ニュース