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【市況】為替週間見通し:ドル・円は強含みか、日米の金融政策乖離観測で


今週のドル・円は、連邦公開市場委員会(FOMC)で、「忍耐強く」という文言が削除される可能性が高まっていること、日本銀行金融政策決定会合で追加緩和策が協議される可能性が高まっていること、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による外貨建て資産の投資増額への思惑があることから、ドルは強含みに推移すると予想される。

ドル安・円高シナリオとしては、米国議会で通貨安に伴う損害賠償請求を企業に認める動き、環太平洋経済連携協定(TPP)に為替条項を盛り込む動きが強まっていること、3月期末に向けた本邦機関投資家のリパトリ(外貨建て資産売却・円買い)、ギリシャの債務問題への警戒感などが挙げられる。

【日本銀行金融政策決定会合】(16-17日)

日本のコアインフレ率は、4月から消費増税の影響(+2.0%)が無くなることで、原油価格が続落した場合、マイナスに落ち込む可能性が高まっている。黒田日銀総裁は、「物価の基調に変化が生じ目標達成に必要なら躊躇なく調整する」と述べていることで、日本銀行が量的・質的金融緩和第3弾を打ち出す可能性が高まりつつある。

【連邦公開市場委員会(FOMC)】(17-18日)

イエレンFRB議長は、2月の議会証言で、3月の連邦公開市場委員会(FOMC)で「忍耐強く」という文言を削除する可能性を示しながらも、6月のFOMCでの利上げに繋がるものではない、と強調した。米国の2月の雇用統計の改善を受けて、「忍耐強く」が削除される可能性が高まっていることで、リスクシナリオは、維持された場合となる。イエレンFRB議長の記者会見で、利上げ開始の時期を見極めることになる。

【日米の政治的なドル高・円安抑制】

米国議会では、通貨安に伴う損害賠償請求を企業に認める法案が審議されており、環太平洋経済連携協定(TPP)などの通商協定に為替条項を盛り込む動きが強まっていることで、要警戒となる。

安倍政権は、対内的には、4月の統一地方選挙に向けて、原材料輸入価格の高騰に苦しむ地方中小企業への配慮から、円安を牽制するスタンスを強めている。対外的には、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉が難航していることで、米国の製造業や議会への配慮から、ドル高・円安を抑制するスタンスを強めている。

《KO》

 提供:フィスコ

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