市場ニュース

戻る
 

【市況】為替週間見通し:与党圧勝の予想が大半、「噂で仕掛けて、事実で手仕舞え」


■ドル・円下落、原油安、株安、ギリシャ金融危機への懸念で円買い強まる

先週のドル・円は弱含み、121円85銭から117円44銭まで下落した。ギリシャ金融危機が再燃する懸念が高まったこと、中国でレポ取引でのリスク資産の担保が禁止されたことで中国金融危機の懸念が高まったことで、リスク回避の円買い圧力が強まった。

原油価格が1バレル=60ドル以下まで続落したことでヘッジファンドが原油取引の損失を株式売却で損失を補てんするとの思惑が浮上し、主要国の株式相場が下げたこともリスク回避の円買いを促す一因となったようだ。取引レンジは117円44銭-121円85銭。

■衆議院選挙、FOMC声明、ギリシャ大統領選出などに要注目か

今週のドル・円は下げ渋りか。14日の衆議院選挙、16-17日の連邦公開市場委員会(FOMC)声明、17日のギリシャ議会での大統領選出、などを見極める展開となる。衆議院選挙での与党圧勝の可能性や年末に向けた米国企業の利益送金によるドル買いが増えることでドルは下げ渋る展開が予想される。ただし、クリスマス前に海外勢が円売り持ちポジションの解消を進めるとの見方もあり、ドル大幅反発の可能性は低いとみられる。

■衆議院選挙(475議席)

衆議院選挙では、与党圧勝が予想されていることで、「噂で仕掛けて、事実で手仕舞え」の相場格言通りに、円売り持ちポジションの手仕舞いの可能性に警戒することになる。
与党が参議院で否決された法案を再可決出来る317議席、あるいは絶対安定多数の266議席以上を確保した場合、アベノミクスが信認されたことで、安倍トレード(日本株買い・円売り)が継続することが予想される。

265議席を割込んでも、過半数の238議席を確保した場合は、安倍トレード(日本株買い・円売り)が継続することが予想される。

なお、可能性は極めて低いが、過半数を割込んだ場合、安倍首相は退陣となり、安倍トレード(日本株買い・円売り)が失速することになる。

■ギリシャ議会での大統領選挙(300議席)(17日)

サマラス・ギリシャ首相が推すディマス前欧州委員が次期大統領に選出されるためには、180票以上が必要となる。連立与党の議席は155議席、野党は121議席、無所属は24議席となっており、解散・総選挙になれば、反緊縮財政を主張する急進左派連合(SYRIZA)が勝利する可能性が高いことで、ギリシャ金融危機の再燃が警戒されている。

■連邦公開市場委員会(FOMC)声明(17日)

16-17日の連邦公開市場委員会(FOMC)では、異例な低金利の継続期間「相当な期間」が削除されるか否かに注目することになる。「相当な期間」の削除は、重要な金融政策の変更となることで、イエレンFRB議長による記者会見での説明が求められるが、FOMC後の記者会見は、12月の次は3月となっており、今回のFOMCでの削減の可能性が高まっている。

■原油価格と円相場

原油価格の下落は、日本の景気回復を支援すること、ディスインフレ懸念から日本銀行への追加緩和圧力が強まることで、安倍トレード(日本株買い・円売り)にとってはプラスだが、東京株式市場からオイルマネーが引き揚げられる可能性、貿易赤字縮小の可能性からはマイナス要因となる。

主な発表予定は、15日(月):(米)10月ネット長期TICフロー、16日(火):(米)11月住宅着工件数・住宅建設許可件数、17日(水):(日)11月貿易収支、(米)7-9月期経常収支、18日(木):(米)11月景気先行指数。

予想レンジ:116円00銭-120円00銭

《TN》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均