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【経済】NYの視点:新築住宅販売のポジティブサプライズは米4%成長を裏づけ?


米国商務省が発表する米国の新築住宅販売は過去5カ月間、予想を下回る結果となっていた。しかし、ここに来て、1月分は前月比9.6%増の46.8万戸と、予想外に昨年12月分から増加し08年7月以降ほぼ5年ぶりの高水準に改善した。12月分も41.4万戸から42.7万戸へ上方修正された。「悲惨」な厳冬、豪雪となった米国北東部の1月の新築住宅販売は前月比73%増の3.3万戸と、昨年6月以来で最高。異例な豪雪に見舞われた南部の販売も前月比10%増の27.6万戸と好調だった。同指数は住宅市場全体に占める割合は7%と小さいが契約時点での統計となるため住宅市場の先行指標として注目されており、この結果は住宅市場への懸念を緩和させた。

米国の住宅バブルと崩壊を予言したことで有名なアナリスト、アイビー・ゼルマン氏は米国の住宅市場が今秋までに大幅な改善を見せると予想している。当初は今年の春までの改善を予想していたが、供給・在庫不足や販売の低下を受けて時期を先送りした。同氏は、政府が発表した1月新築住宅販売件数の9%増加の結果に同意できないとしている。政府の統計は季節的な調整がなされておらず1月の新築販売はおそらく「横ばい」と分析している。1)建設業者はコストの上昇に伴い、物件の価格を引き上げていること、2)建設業者の景況感を示す2月のNAHB住宅市場指数が下落していることを指摘。ただ、今後に関しては、「中古住宅の供給・在庫不足、高い賃貸需要が将来の累積需要を示唆している」と加えた。

一部のマクロリサーチ会社のエコノミストは住宅市場の回復が牽引し、14年、15年の米国経済が4%の力強い成長を示すと期待している。1月の新築住宅販売のポジティブサプライズは今後2年間の米国経済で4%成長見通しを支援するひとつの材料となる。

《KO》

 提供:フィスコ

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