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【経済】【クラファン・優待】大手商社子会社と連携 廃棄物から“石油由来”でない新素材開発 Curelabo、4月13日募集開始

 工場廃棄物などを活用し、"石油由来"ではない新素材を開発するCurelabo株式会社(沖縄県浦添市)が、株式投資型クラウドファンディング(新株予約権型)による出資を募集します。申し込みは4月13日10時開始を予定しています。

・ 新株予約権型
・ 目標募集額:2700万円、上限募集額:7992万円
・ 事業会社/CVC出資実績あり
・ 新株予約権者優待あり:自社商品のノート、タオル、デニムジーンズ
・ 類似上場企業:アミタホールディングス <2195> [東証G]、リネットジャパングループ <3556> [東証G]、エヌ・ピー・シー <6255> [東証G]、リファインバースグループ <7375> [東証G]、三和油化工業 <4125> [東証S]
※「みなし時価総額」はミンカブ編集部が「発行済み株式数×募集株式の払込金額」により試算

沖縄名産サトウキビなどの残りかすを再利用

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(出典:FUNDINNO)

 Curelaboの山本直人代表は、広告代理店で地域のブランディングやプロデュースを担当し、特に沖縄の地域活性化に携わってきました。CTOの小渡晋治氏は米国系投資銀行出身で、MBA取得後、循環経済型のアパレルサービスを立ち上げた経験があります。

 CFOの隅田剣生氏はNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)や文部科学省でプロジェクト組成に従事した後、東京大学や京都大学などで客員教授を歴任し、2021年に同社取締役に就任しました。

 同社は、植物残渣(ざんさ=栽培や収穫の際に出る残りかす)を再利用し、石油由来の化学繊維に替わる次世代のバイオ素材を開発しています。

 同技術を使った製品は、山本代表が代表取締役を兼務する株式会社Rinnovationが日本と米国で特許を取得しており、サッポロビールや明治などの企業とコラボし、「ビールの副産物」「カカオの皮」を活用したOEM商品も手がけています。

 Curelaboの所在地である沖縄県の名産品サトウキビの残渣である「バガス」を原料とした生地や糸などの素材開発や、それらを用いた製品の製造・販売も行っています。

 植物残渣を再生して新素材を開発する同社の技術や取り組みは、

・経済産業省「次代を担う繊維産業企業100選」選出
・サステナブル経営推進機構主催「第6回エコプロアワード」環境大臣賞受賞
・沖縄県「優良県産品」3年連続選出

 などの評価を受けています。

 「さまざまな植物残渣を活用して新素材を開発する弊社のサプライチェーンは、地球上のさまざまな地域で展開できると考えており、今後、タイや米国などにも進出する予定です」(同社)

【課題】
・生産ラインが需要に追いついていない
・販売数拡大に向けた海外の販路開拓

【解決方法】
・三井物産 <8031> [東証P]子会社などと協業し、工場を稼働することで生産能力強化を図る
・海外の展示会や世界的ラグジュアリーブランドとの協業により、知名度向上を目指す



植物残渣は世界で年間約25億トン発生

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(出典:FUNDINNO)

 植物残渣は工場から出る廃棄物だけでなく、食べ残しなどのフードロスも含み、世界で年間約25億トン発生。これは世界で栽培・生産された全植物の約40%に上り、FAO(国連食糧農業機関)が示した植物ロス基準の約2倍に相当するそうです。

 植物残渣を焼却処分する際に発生するCO2も問題で、植物残渣の大量廃棄から脱却し、環境に配慮した形でリサイクルする必要があるといいます。

 同社の所在地・沖縄県でも同様の問題があり、名産品サトウキビの残渣「バガス」は世界で年間約2~4億トン発生しているそうです。

 「バガス」の多くは産業廃棄物として焼却処理されていますが、有効な活用方法が模索されているといいます。

 「弊社は、使われずに処分されてしまう『バガス』などさまざまな植物残渣を使って新素材を開発し、環境に配慮してリサイクルすることで、世界的な環境負荷の低減に貢献したいと考えています」(同社)

市場の魅力・事業内容・ビジネスモデル・特徴

【タイトル】
(出典:FUNDINNO)

 植物や製造業のサプライチェーンがグローバル化することで、製造や輸送の際にCO2が排出され、世界的な環境負荷が問題となっていたことから近年、サプライチェーンを縮小し、CO2削減を目指す動きが目立っていると同社は見ています。

 「弊社は、現地で発生する残渣を使って新素材を開発する技術を持っているため、世界的に進む地産地消の潮流は追い風であると考えています」(同社)

 大手繊維メーカーや繊維商社などを中心に、石油由来の合成繊維を避ける動きも出ており、ある大手化学繊維企業は合成繊維からの脱却を宣言。また、世界最大のファッションコングロマリットのグループ会社が、日本のユニコーン企業が開発したプラスチックの代替素材を採用したことも話題となったそうです。

【タイトル】
(出典:FUNDINNO)

 Curelaboは、植物残渣を使った環境配慮型の次世代バイオ素材を作る技術を開発。同素材は石油由来の合成繊維に替わる新素材として注目されており、同社は植物残渣をマニラ麻に配合して和紙に加工し、紙糸や生地を製造・販売する事業も行っています。

 一般に、残渣を廃棄する際は年間数億円の処理費用がかかりますが、残渣をリサイクルする場合は費用がほとんどかからないため、価格面でもインセンティブがあると同社は考えています。

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(出典:FUNDINNO)

 同社は新素材を開発する技術を活用し、さまざまな企業や自治体との協業によって商品開発を行っています。

 サッポロビールとの協業事例は、他ビールメーカーとの協業など横展開できる可能性があるといい、「これらの実績を積み重ねて、海外のさまざまな地域で発生する紅茶やコーヒーなどの植物残渣に対し、同様のサプライチェーンモデルの展開を計画しています」(Curelabo)。

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(出典:FUNDINNO)

 現在、同社の売上はOEM商品が約70%、糸や生地の卸販売が約25%で、今後は繊維メーカーや商社への販売に注力し、卸販売を全体の約50%に増やす計画です。

 また、同社が構築するサプライチェーンのビジネスモデルは、海外でも同様に展開できると見ており、現地で生産・販売する事業も進行中だといいます。

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(出典:FUNDINNO)

 同社は、「バガス」を約30%配合し、日本独自の和紙技術と組み合わせて生地を製造できる点が強みだと考えています。これらの製品は日本と米国で特許を取得しており、タイや中国、欧州でも特許出願中です。

 「この特許によって、他社が残渣を原料として紙糸や生地を製造することに対し、ほとんどの場合で参入障壁を築くことができると考えています」(同社)

 新素材の開発力や生産システムは各方面から評価され、「公益財団法人京都産業21」「一般社団法人京都知恵産業創造の森」などから公的資金として、累計2000万円以上を採択されているそうです。

今後の成長に向けて

(1)2028年よりIPO準備開始

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(出典:FUNDINNO)

(2)短期計画

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(出典:FUNDINNO)

 同社は国内外16エリアで、25種類の残渣を使って製品化を進めており、今後は、世界各国で発生する残渣を活用したアップサイクルを開始する予定です。

 2023年11月からは、世界第2位の砂糖輸出国であるタイで、三井物産子会社のDM三井製糖と連携して、同国の製糖工場であるカセット・ホル・シュガー株式会社から「バガス」を調達。タイ産バガスをアップサイクルしたジーンズを製造しています。

 2024年春には、バンコクでの大規模なテキスタイル展示会「Style Bangkok2024」への出展を終え、今後はマーケティングの機会も増やしていきたい考えです。

 2024年1月に行われたパリコレでは「バガス」生地が4種類採用されて話題に。これを機に、世界的ハイブランドが主催する大会でグランプリを受賞したデザイナーと連携する動きも進んでいるといいます。

 「今後は国内外のラグジュアリーブランドと提携し、高付加価値製品を世界へ供給するため、世界から認められる繊維商社・メーカーとの連携にも注力する計画です」(同社)

(3)中長期計画

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(出典:FUNDINNO)

 現在、二輪用クラッチで世界シェア1位の自動車部品メーカー、エフ・シー・シー <7296> [東証P]と共同で新素材の開発を計画しています。

 今後、沖縄県うるま市に自社工場を構えて、量産を見据えた新素材の開発を進め、自動車やオートバイ等の産業用途に適用する新素材の供給体制を構築したい考えです。

 将来的には、世界中の植物残渣を素材に変え、「衣・食・住」を支える循環型社会を創造したいといい、食品ロスで発生した残渣や、住環境におけるプラスチック製品などの代替として、新素材を作りたいとしています。

 「いずれも、本来なら捨てられる素材を使うというアプローチを広げることで、環境負荷の低減に貢献していきたいと考えています」(Curelabo)

(4)2031年に5000本以上の「SHIMA DENIM」の販売を計画

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(出典:FUNDINNO)

株主構成

 同社は以下の事業会社より出資を受けています。

・株式会社エフ・シー・シー
・株式会社たまゆら

類似上場企業(業態やサービス・製品などで類似性の見られる企業)

・アミタホールディングス <2195> [東証G]
・リネットジャパングループ <3556> [東証G]
・エヌ・ピー・シー <6255> [東証G]
・リファインバースグループ <7375> [東証G]
・三和油化工業 <4125> [東証S]

新株予約権者優待

【基準日】
毎年8月末日

【優待内容】
・1~2個:ノート2冊
・3~4個:ノート2冊、タオル1本
・5個以上:ノート2冊、タオル1本、デニムジーンズ1本

【申し込み方法】
基準日経過後、メールで申し込みの案内をする。

【注意事項】
・1人、1年に1回限り。
・優待内容は今期(2024年8月期)の内容。
・優待内容は変更や廃止になる場合がある。

発行者・募集情報

■募集新株予約権の発行者の商号及び住所、資本金等
Curelabo株式会社
沖縄県浦添市港川二丁目14番7号
資本金:77,200,000円(2024年2月9日現在)
発行済株式総数:350株(同)
発行可能株式総数:10,000株
設立日:2021年3月10日
決算日:8月31日

■本新株予約権の発行者の代表者
代表取締役 山本直人

■本新株予約権の数(以下の個数を上限とする)
7,992個

■本新株予約権の払込金額
1個あたり 10,000円

■投資金額のコース及び個数
90,000円コース(9個)
180,000円コース(18個)
270,000円コース(27個)
360,000円コース(36個)
450,000円コース(45個)
900,000円コース(90個)
1,800,000円コース(180個)
2,700,000円コース(270個)
3,600,000円コース(360個)
4,500,000円コース(450個)
9,990,000円コース(999個)
※特定投資家口座以外からの申し込みの場合、450,000円コース(45個)までしか申し込みできない。特定投資家口座からの申し込みの場合、9,990,000円コース(999個)を上限とする。

■申込期間
2024年4月13日~4月22日

■目標募集額
27,000,000円(上限募集額 79,920,000円)
※特定投資家口座全体からの申し込みの上限は63,900,000円とする。

■払込期日
2024年5月17日

■資金使途
・目標募集額達成時の資金使途内訳
調達額2,700万円を以下の目的に充てる予定。
営業人件費 1,112万円
仕入代金 994万円
手数料 594万円

・上限募集額達成時の資金使途内訳
上記に追加し、調達額5,292万円(目標募集額2,700万円と上限募集額7,992万円との差額)を以下の目的に充てる予定。
営業人件費 2,382万円
仕入代金 1,745万円
手数料 1,164万円

■連絡先
Curelabo株式会社
電話番号:075-606-4350
メールアドレス:akamatsu@curelabo.co.jp

※本株式投資型クラウドファンディングの詳細については、FUNDINNOの下記ページをご覧ください。

〈経済産業省が注目〉日本発の新素材が世界の"石油由来"に取って代わる。廃棄物を繊維に作り変える技術で上場企業と海外進出「Curelabo」

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