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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):さくらネット、アイスペース、東電HD

さくらネット <日足> 「株探」多機能チャートより
■さくらインターネット <3778>  5,570円  +705 円 (+14.5%) ストップ高   本日終値  東証プライム 上昇率トップ
 さくらインターネット<3778>、さくらケーシーエス<4761>がストップ高に買われた。いずれもデータセンター分野に力を入れており、生成AI市場の急成長を背景にビジネスチャンス拡大が期待される状況にある。直近では米マイクロソフト<MSFT>が日本でAI向けデータセンターを拡充するため日本円にして約4400億円を投資する計画を発表、これが両社の株価を強く刺激する格好となっている。

■ispace <9348>  830円  +39 円 (+4.9%)  本日終値
 ispace<9348>が5日続伸。同社はこの日、米国法人が米RTX<RTX>(旧レイセオン・テクノロジーズ)の子会社ブルーキャニオン・テクノロジーズとの間で、2026年に予定するミッション3でリレー衛星として月周回軌道に展開する2基の小型衛星バスの設計・製造に関して契約を締結したと発表した。これを材料視した買いが入った。

■日本製鋼所 <5631>  3,746円  +145 円 (+4.0%)  本日終値
 日本製鋼所<5631>が3日続伸し、年初来高値を更新した。SMBC日興証券が9日、日製鋼の目標株価を3500円から4200円に引き上げた。投資評価は「1」を継続する。防衛事業や原子力・電力向けの素形材製品で受注が好調だと指摘。原子力事業では欧州向けの新設案件に加えて、日本においても革新型軽水炉の新設が見込まれるほか、防衛事業ではレールガンの開発案件、装甲車のライセンス生産も始まる見通しで、収益性は改善傾向が続くとの見方を示している。

■カーブスHD <7085>  826円  +30 円 (+3.8%)  本日終値
 カーブスホールディングス<7085>が急反発し年初来高値を更新。9日の取引終了後に発表した第2四半期累計(23年9月~24年2月)連結決算が、売上高170億2800万円(前年同期比17.6%増)、営業利益28億900万円(同38.2%増)と大幅営業増益となったことが好感されている。会員数が前年同期末比2万4000人増、前期末比5000人増の78万2000人と順調に回復基調にあることが業績を牽引。また、会員向け物販の拡充を図り、特に主力商品であるプロテインの全面リニューアルや新商品の販売が順調に推移したことも寄与した。なお、24年8月期通期業績予想は、売上高346億~350億円(前期比15.2%~16.6%増)、営業利益49億~51億円(同27.2%~32.4%増)の従来見通しを据え置いている。

■日本システム技術 <4323>  1,823円  +66 円 (+3.8%)  本日終値
 日本システム技術<4323>が3日続伸した。同社は9日の取引終了後、メディカルビッグデータを活用し、傷病に対する医薬品の処方率などを表示する統計ダッシュボードサービス「Medicine Tiger」を開発し、サービスの提供を始めたと発表。これを手掛かり視した買いが入ったようだ。マーケティング担当者による医薬品の処方動向の調査や、臨床試験向けのフィージビリティー・スタディー(事業化調査)などでの活用を想定。リソースの効率的な活用や研究開発の短期化につながるという。

■東電HD <9501>  1,077円  +37 円 (+3.6%)  本日終値
 東京電力ホールディングス<9501>、北海道電力<9509>、九州電力<9508>などをはじめ電力株が全面高に買われた。米マイクロソフト<MSFT>が日本でデータセンター拡充を目的に2年間で29億ドル(日本円で約4400億円)を投じることが伝わったことで、東京株式市場では関連銘柄に幅広く投資資金が流入している。データセンター運営を行う企業のほか、空調工事などの設備投資関連にも物色の矛先が向いている。そのなか、データセンターの増設・稼働で膨大な電力消費が見込まれることから電力会社にも投資資金が流入している。柏崎刈羽原発の再稼働に向けた観測を背景に東電HDのほか、ラピダスの巨大半導体工場稼働を控え、泊原発再稼働の思惑が高まっている北海電などの商いが目立つ。

■イオンディライト <9787>  3,700円  +120 円 (+3.4%)  本日終値
 イオンディライト<9787>が4日続伸。9日の取引終了後に発表した25年2月期連結業績予想で、売上高3400億円(前期比4.7%増)、営業利益160億円(同5.0%増)、純利益104億円(同2.9%減)と営業増益を見込み、年間配当予想を前期比1円増の87円としたことが好感された。外注費や人件費などの上昇に伴うコスト増が見込まれるものの、提供サービスの拡大、未受託施設の受託、未受託資材の獲得などで顧客内シェアの拡大を図るほか、新規顧客開拓や省エネ関連工事をはじめとする各種工事の受託拡大などで売り上げ増を見込む。また、単価見直しの推進やアジア事業の収益性改善などにも取り組み、営業増益を見込む。なお、24年2月期決算は、売上高3248億2000万円(前の期比6.9%増)、営業利益152億3500万円(同3.7%減)、純利益107億700万円(同5.5%増)だった。同時に、上限を70万株(発行済み株数の1.44%)、または31億円とする自社株買いを実施すると発表しており、好材料視されている。取得期間は4月22日から12月30日までで取得した自社株は消却する予定としている。

■ビーウィズ <9216>  2,283円  +53 円 (+2.4%)  本日終値
 ビーウィズ<9216>が5連騰。この日、クラウド型PBX(電話交換機)「Omnia LINK」の顧客管理システムにおいて、コールセンターのオペレーターと顧客との会話をテキスト化し、生成AIで要約する機能を搭載したと発表。システムの導入拡大を期待した買いが入ったようだ。要約は通話終了後、約30秒でシステムに反映され、要約精度は90%以上という。終話後に用件や案内内容をシステムに入力する「後処理時間」を短縮でき、1通話あたり3割程度の生産性改善が見込めるとしている。

■イズミ <8273>  3,766円  +41 円 (+1.1%)  本日終値
 イズミ<8273>が3日ぶり反発。9日取引終了後、24年2月期の期末配当予想を44円から45円へ増額すると発表した。中間配当の44円とあわせ、年89円(前の期87円)となる見込みだ。株主還元に対する姿勢を評価した買いが入った。

■日本空港ビルデング <9706>  5,713円  +42 円 (+0.7%)  本日終値
 日本空港ビルデング<9706>が続伸。この日午後、東京国際空港(羽田空港)の脱炭素化に向けたCO2フリー水素利用の実現について、共同検討を行うための連携協定をENEOSホールディングス<5020>傘下のENEOSと締結したと発表しており、好材料視された。今回の協定により両社は、羽田空港旅客ターミナルビルで国内空港初となる「水素発電コージェネレーションの導入」及び「水素供給インフラの整備」に向けて、30年ごろの水素利用実装を目指し検討を進めるという。具体的には、京浜臨海部の水素供給拠点から羽田空港旅客ターミナルビルへCO2フリー水素を供給し、水素発電コージェネレーションを通じた電力及び熱の供給検討を行うとしており、これにより、30年ごろにおける「羽田空港旅客ターミナルビルへの水素発電による電力・熱供給の実現」と「CO2排出量の削減」を目指すとしている。


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